永い 永い 夜明けの歌

  

君と過ごした頃、
さよならを言うのが辛かった。
 また、僕は一人
  一人で眠る
   君を思いながら

君が僕のもとに来た時から、
毎日が充実していた。
おかえりなさい と言う君がいて、
いつでも寄り添ってくれる、君がいた。
 もう、一人で眠る事は無い
  もう、さよならを言う事は 無い
   君はいつでも そばにいるから

 

独りの時は、突然訪れた。
唐突に、何の前ぶれもなく。
 困惑、不安、恐怖、逃避、失望、諦め、
  さまざまな思い
   僕は
僕はナニモノ?
君は、ナニモノ?
何故僕を苦しめる
僕は、ナニになろうとしているんだ

 混沌としたモノの中から、
 ささやくモノがいる。
  オマエハ ナニモノダ
  ナヤムコトハ ナイ
  オレハ オマエヲ ヨク シッテイル
  オマエハ ナニモノダ
  オマエハ、オレダ
  オレガ ホントウノ オマエダ
  オマエニハ ナニモ ナイ
  オマエノ マワリハ ミナ 敵ダ
  ニクメ コワセ ハカイシロ!
  カンガエルコトハ ムイミダ
  ガマンスルコトハ ムイミダ
  サア ヤレ
   サア
    サア
     サア

 

無限に続く声無き 声
僕は押しつぶされそうになる
オマエは何者だ!
オマエは ナニモノだ
僕は オマエなんか、知らない!
何故 僕のモトにいる

  オレハ オマエダ
  ズット ズット ムカシカラ
  オレハ オマエノ ナカニイル
  オマエガ イマデモ 慕イ モトメル者ヨリモ
  モット マエカラ オレハ イル
   オマエハ、オレダ
    サア ナニモ カンガエルコトハ ナイ
     サア
      サア
       サア

繰り返す 闇の声
僕は耐え切れなくなる
僕はオマエなのか?
オマエが 本当の僕なのか?
(違う)
本当の僕は オマエなのか?
(違う)
(それは、違う)
(惑わされては、駄目)
(聞いて)
(聞いて、私の声を)
(思い出して 思い出して)
 (思い出して)
思い出す?
何を?
何を僕は忘れてしまったのだろう

(私はナニモノ?)
(私はあなたを苦しめたくない)
(私はあなたに安らぎを与えた)
(あなたも私に安らぎを与えてくれた)
(でも、今は、あなたを苦しめるだけのモノになってしまったの?)

違う
それは、違う
僕は君を愛していた
僕は君を、今でも愛している
僕を苦しめているのは
  僕だ
  ソウダ オマエダ
  クルシムコトハ ナイ
  クルシム オマエナンカ ステテシマエ
  コワシテシマエ
  ソシテ オレニ ナレ
   サア
    サア
     サア
(私はあなたに苦しんで欲しくない)
  ダカラ コワスンダ
(私もあなたを愛している。今でも)
  ナラバ ナゼ イナクナッタ
(あなたと離れたくはない)
(私はあなたといたい)
(あなたと、ずっと、一緒にいたい)
(でも、それは あなたを苦しめる)
(私はあなたに苦しんで欲しくない)
(私がいない事を悲しまないで)
(私の事で苦しまないで)
(思い出して)
 (思い出して)
  (思い出して)
(私といた頃のあなたを)
(あなたが一番好きな あなたを)
(思い出して)
(あなたのまわりにいる人達を)
 (思い出して)
 (あなたのまわりにいる、あなたを慕う人達を)
  (思い出して)
   (暖かい 心を)
(あなたは、独りではない事を)

僕は 独りでは ない?
 僕は、独りではない。
オマエが頭を擡げ、僕を闇へと誘う時も、
 僕は独りではない。
そうだ、誰かがいてくれる。
僕の側にはいなくとも、
僕の中で支えてくれる、誰かがいる。
僕は、オマエになんか、負けない。
僕は、オマエになんか、負けるわけにはいかない。
僕は、オマエになんか、負けるわけが ない。

オマエは、誰かがいてくれる時にやってくる。
助けて欲しいのは、
僕ではなくて、オマエなのか?
壊して欲しいのは僕ではなくて、
 僕の中で叫び続ける、
  オマエなのか

僕はオマエを壊しはしない。
僕はオマエを捨てたりしない。
独り、泣き叫んでいるオマエを、
僕は覆い、包んであげよう。
僕のまわりの、愛しい人達と一緒に、
僕は、オマエを 愛そう。

  

もくじへ   まえへ   つぎへ   Go Back
 
掲載後記:
 かなり見難い色ですが、これに気がつかれた方はどれくらい居るのでしょうか。 この掲載後記は、気が付いた方のみお読み戴くのでかまわないというつもりで書きますので、わざとこういった色にしてみました。
 さて、この歌には昔々の元のお話がありまして、小生がそれに基づいて散文の形にしたものです。 まぁ、どういった経緯があるのかとか、登場人物はどういった人なのかとか、モデルと小生の関係とか、そういった事は一切お話できない事はTOPでのお断り通りなのですが、「詩のある風景」の中では一番実話に添ったお話の一つである事だけは述べておきましょう。 ちょっと訳あって、ある方に贈らせて戴いた歌でもあり、小生にとってはちょっと曰く付きの歌になってしまいました。
 掲載しようか、やめようか、かなり長い間迷いましたが、もう、いいかな・・・と思い、掲載する事に致しました。
 何故、掲載する気になったかと言うと、同じような経験を持つ方に読んで戴きたい、又、小生自信、もう吐き出してしまいたいという思いがあっての事です。 中には、せっかく忘れかけてたのに思い出してしまったとか、ふっきれそうだったのに駄目になってしまった、という方もらっしゃるかもしれませんが。 もし、そういう方がいらっしゃいましたら、ごめんなさい。
 でも、この主人公は、最後には奮起します。 奮起して下さい。 あなたも。 辛い事を乗り越えるには、他者の存在や協力も必要でしょうけど、最終的には自分で乗り越えるしかありません。 解かってはいても、難しい事です。 折れてしまいそうになります。 投げ出したくもなり、逃げ出したくもなります。 でも、乗り越えなければ、乗り越えようとしなければ、後退あるのみです。 振り向く事はあっても、自分から下がってしまっては、何も好転しません。 ですから、あえて、「がんばれ」と言わせて戴きます。
 最後に、これは、自分にも言い聞かせるつもりで書きました。 振り向く事はあっても、影に引き込まれない用にしなければなりません。 過ぎた事は気にするな・・・と言うか。 大なり小なり、誰にも何かしらありますからね。
 それでは、これを読んで下さった方々。 これからも、等サイトを宜しくお願い致します。