(これで大体2500文字。まあ6〜7分くらいは稼げるでせう) この戦争平和問題の「戦争と政治」班は連合国、枢軸国それぞれにどのような思惑があり、どのような経緯を通じて第二次世界大戦に突入してしまったかを軽く説明したいと思います。 戦争といえば前線で戦う兵士及びそれを助ける国民に焦点が当てられがちですが、戦争というものは国と国が話し合いで問題を解決できないときに起こるものです。よって、平和を求めるのならば政治と戦争の関係を知ることは絶対に必要です。 1 第一次世界大戦後  第一次世界大戦に敗れたドイツには戦勝国からの不当な賠償の要求を呑まなければなりませんでした。その賠償額は現在の日本円にして約60兆円、戦争に負けてボロボロになったドイツに払えるわけも無く、ドイツは貨幣を大量に発行、結果、貨幣の価値が下がり、強烈なインフレが発生してドイツ国民の生活は一気に地に落ちました。このインフレはうまい棒で説明すると今は10円でうまい棒は買えますが、それが10兆円無いと買えなくなるようなものです。  ドイツ経済は完全に崩壊、ドイツ国民はかつての生活を懐かしみました。 2 1920年くらい  1920年代になると、アメリカは戦後の消費ブームに乗り大量の生産を行うようになります。それがまた売れ、売れるとまた作り、それでも売れるのでどんどん作り・・・・・・ある一定の線を超えるとそれは一気に売れなくなり・・・ご存知、世界恐慌が起こりました。この世界を覆う大不況でアメリカに経済の面で頼っていたドイツ経済は再び崩壊し、植民地を持つ国は他国との取引を止め安く輸出入できる植民地との結びつきを強める、いわゆるブロック経済政策を行うようになりました。植民地を持たない日本、ドイツなどは不況の影響が大きく、かつての自由、民主といった理念は忘れられ強力な政治体制、すなわちファシズムに走り出しました。 3 1930年代くらい  1933年3月30日、この社会不安に乗じてナチス党が大躍進し、ヒトラーが首相に任命されました。ヒトラーは不況の原因は戦勝国の言いなりになっている弱腰の政治家のせいだと主張、憲法を改正して自身を独裁者に立てます。5年で高速道路を整備、この過程で40万人を雇用・・・また全国民が車を手に入れられる政策・・・このような政治を通していつしかドイツ国民はヒトラーに酔い、ヒトラーを妄信するようになっていきました。  一方日本でも不況の影響が大きく、明治以降の戦争で手に入れた利権を活用する必要が出てきました。しかしそれを好まない中国、ソ連系の勢力が日本に度重なるテロ攻撃をしかけました。日本政府は外交交渉で解決しようと試みるものの交渉は難航、怒りを堪えられなくなった現地の軍人は政府を無視して満州事変を起こしました。この満州事変は驚くほどの大勝利でさまざまな問題を一気に解消しました。こうして日本でも政治への信頼が薄れ、軍への期待が高まっていきました。 4 1930年代後〜  しかし満州国を建国させた日本にはさらに激しい中国人のテロ攻撃が待っていました。その影には中国で戦乱を起こし共産主義で赤く染めようとするソ連の思惑がありました。再び問題を抱え込んだ日本に他に方法はなく、再び中国との戦争が始まりました。満州事変のように懸案を一気に解決することを目標としてこの戦争は始められました。しかし当初の予想ははずれ戦争は長引き、日本は経済的に苦しくなってきました。そして日本を叩いてアジアの利権を自分のものにしようとするアメリカの影は近くまで迫っていました。  一方、強力な経済政策で一気にドイツを復興させたヒトラーは同時に禁じられていた再軍備を始めました。ドイツが復興すればまた理不尽な要求を戦勝国が要求してくるとわかっていたからです。1939年、ドイツはポーランドに侵攻しそれに対してフランス、イギリスが宣戦布告。こうして世界は再び世界大戦へと包まれていくことになります。 5 〜1941年  日本はまだ中国との戦争を続けていました。このころになるとアメリカは中国支援の体制をはっきり打ち出し、日本とアメリカは既に敵対していました。アメリカは日本を疲労させるため、戦争に必要な最小限の石油を日本に輸出し戦争を続けさせていました。そしてある日、アメリカは日本への石油の輸出を停止しました。石油が止まれば産業は停止、未曾有の大不況が起こることになります。石油の輸入のほとんどをアメリカに頼っていた日本にはこれは死刑宣告に等しく、日本は交渉での解決を試みました。  しかしアメリカは中国大陸から日本軍を撤退させないと交渉に乗らないという滅茶苦茶な条件を突きつけました。当然、都合よく中国大陸から日本軍が撤退すればアメリカが封鎖を解いてくれるなどということがあるはずもなく、日本は戦争へ進まざるをえなくなりました。  こうして日本は真珠湾を空爆、また同時にアジアに進行し外国軍を破竹の勢いで撃破、一気にアジアを手中に入れました。この姿を見て当時のアジア人は日本はアジアを欧米から解放しに来てくれたのだと思いました。しかしこの考えは日本が劣勢に回るにつれて変わっていくことになります。  一方ドイツはソ連に攻め込み、一気に前進をします。しかし冬が訪れ、物資の補給が途絶えてしまったドイツ軍は各地で敗北していきました。また、このころからアメリカが優勢を取り戻し、各地へ空爆を行うようになりました。最初は軍事関連施設だけを狙った精密爆撃でしたが、次第に無差別爆撃に姿を変えていきました。  こうして、一時代前まで軍人と軍人が戦う名誉あるものであった戦争は英雄も勇者も生まれない単なる虐殺へと姿を変えていったのです。 6 第二次世界大戦後〜  アメリカ、ソ連は第二次世界大戦に勝ち、世界を左右する超大国となりました。しかしもともとの思想の違いから同盟は決裂、世界は二つに分けられ核兵器による冷戦時代が始まりました。  アジアでは中国は共産主義化し巨大化、朝鮮半島は南北に二分されました。今なお現在に続く民族の悲劇はこのようにして始まったわけです。  アメリカはこのようにして資本主義陣営の日本を倒してしまい、敵の共産主義陣営を拡大させてしまいました。しかしながら第二次世界大戦はアメリカでは今でもファシズムから自由を守った正義の戦争と信じられています。  冒頭にも述べたとおり戦争は国と国との交渉の拗れから始まります。過去の歴史など、と思っているかもしれませんが今でも参考になる事柄はどれだけでもあります。平和を欲すのならば安易な情報に乗せられるようなことはせず、戦争の真の姿を知ることが必要だと思います。 以上で発表を終わります。