シナリオ考察プレイ日誌 - やり込みinFF

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シナリオ考察プレイ日誌

 

【第3話 †光と闇の狩人†】

 

ラ「いったい何者なんだ…」


 さあ、今回も行ってみよう。第3話では、光都ルクセリオのメインクエスト:「ノエル編」について取り扱ってみる。
 …さて、ノエルと言えば、前作『13-2』でセラと共に旅をした男キャラ(18)であり、ゲームスタート時基準で700年後の未来からやってきた。カイアス・ユールとは旧知の仲で、特にユールとは家族とも恋人とも言えるような深い関係である。そして、彼女の「また会える」という予言を元にノエルはカイアスを倒したが、それにより女神は死に、世界の崩壊を招き、セラも命を落としてしまった。ある意味、今作の事態を引き起こした張本人とも言えるノエルであるが、果たして500年という時は彼をどのように変えてしまったのか。
 ――というわけで、今回も「ノエルはどうしてカイアスを倒したのか」「何故ノエルとライトニングが戦うのか」という二つのお題を用意し、じっくりと考察を進めていこうと思う。特に、前者のカイアスを倒した理由については、恐らく未だにほとんどの人が無策で倒したと思っていることだろう。ええ、もちろん俺もそう思ってます。だが、それだと『13-2』があまりにもあんまりな立場になってしまうため、今回は作品の完結後から振り返って、納得の行く解釈を探していってみることにしよう。なんか、『リターンズ』枠と言いつつ半分くらいは『13-2』の話になってしまっている気もするが、まあこの2作は元々1つのグループみたいなものだからね…。

 では、少しくらいはシナリオ以外の、ゲーム面での話もしておこう。いや、シナリオもゲームの大事な一部分だけど、ここは便宜上ということで…。
 …まず、ルクセリオに電車で降り立った後は、駅前で起こった殺人事件について調査し、事件を起こした「女神の信徒」たちが墓場で儀式を行っているということを知る。その後、一日掛けて街を調査して暗号を入手した後、夜になってから電話を掛けて墓所に突入する。この墓所の敵はやや強めであるため、特にドレッドノートなんかはスルーを決め込みつつ進み、儀式に乱入して新たな殺人の発生を阻止する。その後は、予言を見てライトニングを殺そうとするノエルをあえて煽って、最初の大ボスであるノエル戦がスタートするのだ。
 ――さて、そのノエル戦であるが、敵は雷属性を弱点としているので、「デプロテ」「デシェル」「カーズ」を掛けた後に、「サンダラ」を中心として攻撃を仕掛けていく。アイテムによってプロテス+シェル状態を発生させ、ダメージが蓄積してきたらポーションで回復、ここぞという場面ではオーバークロックも使用である。そんなわけで、無事に1回の挑戦で勝利を掴むことができた。あれ、初回プレイでは結構苦戦した覚えがあったんだけどな…。


 
考察:そのC
〜ノエルはどうしてカイアスを倒したのか?〜
 
黒幕黒幕黒幕黒幕黒幕黒幕黒幕黒幕黒幕
 
FF13-2/ノエルがカイアスを倒した理由
〜FF13-2ラスト〜

ユール「みんなが笑ってる未来が見えたwwww」
ノエル「wwwwwwwwよし予言信じるカイアス倒すwww」
セラ「おまwwwっwそれしたら女神死ぬってwwww」
ノエル「そもそも新コクーン人質に取られてるwww倒さないとか無理www
    でもユールの予言は絶対wwww大丈夫だよwwww絶対大丈夫だよwwww」

カイアス「wwwwwwww」
エトロ「wwちょっwwwwさすがに今回は奇跡とか無理wwwwwww」

(女神死亡、世界崩壊、セラ死亡)
ノエル「俺がwwww女神を殺したwww?っwww」

〜500年後〜

ノエル「ユールの予言にライトニング殺すって出てた。ライトニング殺す(真顔)


 ………。(;・∀・)「こんな文章しか書けないの?」と思う方も多いだろうが、頑張ってみたところこんな文章しか書けなかったのである。
 やれ、『13-2』の物語を考えるうえでのキーポイントとなる「ノエルがカイアスを殺した理由」であるが、その理由は作中ではハッキリと語られておらず、やはり無策だった各人が推測するしか無いというものである。しかしながらその最大の物は、ユールから「また会える」という予言を聞いていたからであろう。時詠みの一族として生きてきたノエルにとって、ユールの予言は絶対である。だから、自分が歩んだ先に、再びユールと巡り会える未来があると信じた。そう思ったからこそ、ノエルはカイアスを倒したのだろう。
 ――が、その結果は惨憺たるもので、ノエルがカイアスを殺したことで、カイアスの持つ「混沌の心臓」が動きを止め、女神は消滅して世界の崩壊を招いた。また、その影響で時詠みの能力に目覚めていたセラが多数の未来を目にし、一気に命を落としてしまった。しかも、女神が死んでしまったため、セラは転生することすらできず、ゲートも閉じて歴史をやり直すことすらできなくなった。どう見ても完敗です。本当にありがとうございました。

 さて。これだけではあまりにもノエル君(18)が不憫なので、もう少し枝葉の部分からフォローしてみたいと思う。
 …まず、ユールが予言した「再び会える未来」についてであるが、これに関しては「いつ」とは作中で明言されていない。そのため、『13-2』の直後ではなく、『リターンズ』のエンディングのことを指していると考えれば、結果的には「再び会える未来」に間違いは無かったと言うことができる。ただし、途中でカイアスによる世界崩壊を挟んでいるし、作中では500年の時が流れ、現実世界でも2作をまたいだ壮大な予言ということで、「ユールの奴…そこまで考えて…」と感心するよりも、「はあ…なんか疲れた…」という倦怠感のほうが強くなってしまうだろうが…。
 ――また、「ノエルがカイアスを倒した」と記述はしたものの、実際の『13-2』のラストシーンでは、むしろカイアスの自殺に近い形で決着が付いたということも忘れてはならない。ノエルは最初から、カイアスを倒しはするが、殺すつもりは無かったのである。恐らくこの時点では、ノエルは「女神の消滅」がどういう影響を及ぼすか意識していなかった(エンディングで唐突に死にゆく世界でのカイアスとの会話を思い出したことがその証拠)と思われるので、単純に「これ以上人が死ぬのを見たくない」という思いからだったのであろう。だからこそ、わざわざカイアスはノエルの手を取り、自ら心臓に剣を突き刺したのである。なお、「カイアスを殺せるのは守護者だけ」とされているが、ゲーム中で「リレイズが発動した後にもう一度HPを0にすると撃破可能」と表現され、実際にセラなどもパラドクスエンディングで撃破していることから、ダメージを与え続ければ普通に倒すことができるのかもしれない。「お前は私を倒すのに『守護者の称号』が必要だと思っているようだが…別になくても倒せる」というやつだな。うん!

 ところで、「『みんなが笑っている未来』を信じて最後の敵を倒した」という展開に、どこか既視感を覚えるところは無いだろうか。そう、何を隠そう、これは無印『13』のラストシーンとまったく同じ構図なのである。
 …やれ、あの時も、ライトニングたちはオーファンによって完全に手詰まりとなってしまっていたが、痛ましい運命に晒されたルシたちを女神エトロが哀れみ、奇跡を起こして4人をシ骸から復活させた。この際、スノウが「みんなが楽しそうに笑っている未来が見えた」と発言しているが、これは未来を予言する女神エトロがもたらした、新しい「ヴィジョン」ということなのだろう。そして一行は、その未来を信じて、オーファンを倒すことにしたのである。以降の展開はご存じの通り、ラグナロクの力を使ってコクーンを支え、女神の後押しによって一行はクリスタルから解放されることができた。「コクーンを破壊して使命を果たしたが、人々の命を救った」という、まさにハッピーエンドと言って良い結末である。
 ――そのような展開は、まさに『13-2』のラストとそっくりである。どう転んでも目的が達成される敵役、希望の予言を信じて敵を倒す一行…。だが、『13』と『13-2』では、結果は正反対になってしまった。女神の奇跡が起こった『13』に対して、『13-2』では女神自身が死んでしまったからだ。
 …しかしながら、これに関しては「女神の有無」という以前に、そもそも「前作が奇跡奇跡と批判されたから、あえて希望も救いも何も無い結末を突きつけてやった」という、制作側の都合を感じざるを得ないのである。そう言えば、『13-2』は「敵が堅い」「ミニゲームが無い」などという前作の批判に対して、嫌がらせとしか思えないような回答を突きつけたゲームであった。そのようなことを考えてみると、『13-2』のエンディングが、あんなにもどうしようもない幕切れとなったのも、何となく理解できるかもしれないのである…。

 話を本筋に戻そう。このように、ノエルの行動が結果的には世界の崩壊を招いたわけなのだが、そもそも放っておいたらカイアスは新コクーンを落として人類を絶滅させていたこと、ノエルにはカイアスを殺すつもりはなくあくまでカイアスの自殺であったこと、またセラは自分が命を落としても世界を救う覚悟を決めていたことから、必ずしもノエルが悪いと決めつけることはできない。むしろ、ノエルはカイアスの計画に翻弄された被害者なのだ。
 …ノエルは、破滅の未来に産まれ、一度は世界の破滅を見送った。その後、頑張って頑張って頑張ったけれども、結局は誰も助けることができなかった。世界は滅び、ユールもセラもカイアスも、誰一人として救えなかった。これでは、500年の経過を待たずして闇落ちしても、何もおかしくないのである。
 ――というわけで。ノエルに関しては、『13』シリーズの中でも屈指の悲劇を経験していると言って良い。ではそんな彼が、500年の末に選んだ結論とは何なのか。そして、「ユールと再び会う未来」は実現されるのか。それは、この『リターンズ』の物語を紐解けば分かるのかもしれない、のである。


 
考察:そのD
〜何故ノエルとライトニングが戦うのか?〜
 
自信が無いからこそ、あえて「殺す」と繰り返していたのでしょう
 
LRFF13/ノエルとライトニング
ノエル「予言にライトニング殺すって出てたけどやっぱ強引すぎるよな…」
ライトニング「(イラッ)どうせお前に人殺しなんて無理。時間の無駄だ死ね」


 いやあ。相変わらず酷い概要であるが、ノエルとライトニングが戦った理由について説明するとなると、上のような結論に至らざるを得ないのである。
 …まず、作中の説明についてであるが、ノエルは「世界を滅ぼそうとしている解放者をノエルが殺す。そしてユールと再開する」という新たなユールの予言に従って、ライトニングを殺そうとしていた。どうせ自分は500年前に世界を破滅させた罪を負っているのだから、今さら罪が一つ増えたところでどうと言うことは無い。だが、そう言って向かってきたノエルの剣は、片手で受け止められるほどの貧弱なものだった。そしてライトニングは悟ったのだ。やはりノエルには、世界を救うためであっても罪無き人を殺すことはできないのだと。
 ――とまあ、こんな感じで、何やら話し合いで解決できそうな雰囲気になってきたのだが、ここでライトニングは「時間の無駄だ。死んでユールに会うがいい!」と突き放したのである。逆上したノエルは、当然「ライトニングを殺して予言を実現する!」と襲いかかってくるのであった…。

 と、こんな感じで。どう考えてもライトニングがわざわざ挑発して戦闘に持ち込んだようにしか見えないのであるが、これにはもちろん理由が存在する。
 …まず。物語的な意味としては、戦闘後にライトニングは「500年間の思いを解き放って欲しくて、あえて追い詰めてしまった」ということを話している。ライトニングの使命は魂の解放であり、そのためには他人が隠しておきたい心の闇にもあえてぶつかっていかなければならない。だからこそ、なあなあで解決するのではなく、「戦い」という形を選んだのであろう。うん、まあこれはゲームだし、ライトニングさんは主人公タイプだからね…。
 ――また、順路通りにゲームを進めていけば、ノエルは最初に戦う大ボスということで、まだライトニングが神の遣いとして蘇った直後であり、人間らしい心を取り戻していなかったということも考えられる。ライトニングこそ、無意味に人を殺せるような人物ではない。それが、あのような冷酷な言葉を放てたのには、ただ単にノエルを挑発するための演技と考えるよりも、心=混沌を失っていたからと解釈したほうが自然なものだろう。この辺りは、正解は一つではなく、ひょっとしたら上の二つの両方かもしれない。皆さま、思い思い解釈を広げていただきたいところである。

 ところで、である。このパートにおいて気になるのが、ノエルが見たユールの新しい予言である。その内容は上記の通り、「世界を滅ぼそうとしている解放者をノエルが殺す。そしてユールと再開する」というものなのだが、これは果たして何を予言したものなのだろうか?
 …まず、13シリーズの物語を考えるうえで外せないのが、「女神の予言は絶対」ということであり、上記の予言が丸っきりデタラメという説は捨てなければならない。つまり、予言は起こりうる現実の何かを予言したものであり、「@解放者が世界を滅ぼそうとしている」「Aノエルが解放者を殺す」「B二人は幸せなキスをして終了」という3つが、全て同時に成り立つ未来を考えなければならないのだ。これはかなりの難題である。はて、どうするべきか…。

 そこで俺が考えたのが、これはブーニベルゼの作った「綺麗な」未来という説である。
 …つまり、予言の内容はこうだ。神の遣いとして蘇ったライトニングは、一切の心を持つこともなく、セラを助けるためなら世界を滅ぼすことも厭わない魔物であった。だから、ノエルは躊躇することなくライトニングを殺した。至高神は、ライトニングによる魂の転送を諦め、人間全てを新たな星に転生させたが、神には“心”を見ることができないため、仕方無くうわべだけを写し取った人間世界を作り上げた。そうして現れたのが、不気味な草原で、無感情な笑いを浮かべて抱き合うノエルとユールのヴィジョンなのである。
 ――神は、不可視の“心”など人間には不要と切り捨てる一方で、その無限の可能性にも興味を持っていた(『13』のオーファンも、似たような趣旨のことを言っている)。だからこそライトニングを送り込み、その混沌を研ぎ澄まして新たな世界に送り込もうとしたのだ。そして、上記のノエルが見た予言は、その計画が上手くいかずに完成した、上っ面だけの「綺麗な」世界ということなのである。

 というわけで、ノエルが見た予言の正体は、ブーニベルゼが作った心の無い世界と考えてほぼ間違い無いであろう。
 …つまるところ、ブニさんは既に人間自体を新たな世界に転生させることは決めており、その可能性を試す意味で、ライトニングに魂の解放を命じたということになるのだろう。それがノエルによって阻止された場合の世界が、件の予言ということなのである。
 ――なお、この予言については、その後にルミナやホープが「見た目が綺麗なだけのまがい物」と述べている。ルミナは、その正体なども考えると、わざわざこの予言のことをノエルに教えて、ライトニングとぶつける方向に持っていったのは至極当然なのであるが、ホープまでこの予言を否定するのはややおかしい。その疑問を解消するための答えは一つである。やはり、この『リターンズ』の物語において、神は最後まで迷っていたということなのだ。




最後くらいはいい画像で締めようと思いました。ちなみに没になったのは【こちら】


 そんなわけで、『13-2』において凄惨なまでの悲劇を経験したノエルであったが、ライトニングとぶつかりあうことでかつての心を取り戻し、最後はまやかしの予言を打ち壊すことで、かつての心を取り戻すことができた。やっと、ノエルの魂も救われたのである。
 …そしてその影には、二人を衝突する方向に持っていったルミナ、そして幸か不幸か神のいたずらかライトニングが戦いを選んだことなど、様々な要素が関係している。少しでも間違えたら、ノエルかライトニングのどちらかが死に、未来が閉ざされていてもおかしくない状況だったのだ。こらそこ! (;・∀・)「とりあえずゲーム的にノエルと戦わせたかっただけでしょ??」とかロマンの無いことを言ってはいけない。あともう一つ気になるのが、このメインクエスト中でノエルは合計8回「ユール」と言っているが、「セラ」とは1回も言っていないし、そもそも触れてすらいない。結局、未来から来た奴らが『13』のエンディングを台無しにしていく物語なのか…。
 ――ちなみにノエルは、以降防犯ボランティアとしてルクセリオの各地を走り回るようになり、ゲーム中でもその姿を目にすることができる。二つ名は、「光の狩人」。闇から足を洗った結果がこれだよ!! そのネーミングセンスはむしろ闇だよ!!!

 というわけで、「あんまりな話からの、雑な展開」と思っていた『リターンズ』のノエル編も、冷静になって捉えてみると、実に見応えのある物語であった。『13-2』では全く救済されなかったノエルも、ここに来てやっと一人のキャラクターとして自立することができたのだ。
 ――そんなこんなで、メインクエストの1つであるノエル編も終了である。続いては順路通りに、ユスナーンのメインクエスト:「スノウ編」へと足を進めていくことにしよう。スノウに関しても、『リターンズ』の世界で非常に大きな闇を抱えた人物の一人である。さあ、ライトニングは彼を救ってやることができるのか。そしてそれは、俺の腕にも掛かっている。「意味不明、または電波」とされている『13-2』以降のシリーズの物語を、魅力的に考察し、果たして登場人物たちの魂を解放してやれるのか。そう、このプレイ日誌では、俺こそが解放者なのである。まさか管理人のやつ…そこまで考えて(ない)

 

(2015年5月12日) 107 PV

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