最近(2000年春期)、幼児虐待をテーマにしたドラマが放映されていました。
テレビで幼児虐待に関する報道をよく見かけたり、そういった事件の報道も増えたような気がします。
昔からあった事ではあっても、昨今の事例の多さは異常かもしれません。
マスメディアがこぞって、大変だ、異常だ、またもや・・・と騒ぎ立てて、今までは表面に出てこなかったような事も荒立てている為に、多くなったように見えるだけかもしれません。

色々と思う所はありますが、一例として、これから独白をする主人公も、幼児虐待の被害者です。
主人公の受けた虐待とはどういったモノだったのか。 何時から何時まで、誰から受けていたのか。 何をし、何をしようとしているのか。 主人公以外の登場人物は誰なのか。 主人公は、男性なのか女性なのか・・・・・・・・・ 今は、明らかにはしません。 ご自由にご想像下さい。
又、実在の人物がモデルになっているのか、それとも、想像上の人物なのか。実際にあった事なのか、考えついたお話なのか。 何処がフィクションで何処がノンフィクションなのか。 そういった事も、全て明らかにはしません。 個人的にわたくしに聞かれても、ノーコメントです。  このサイトでの お決まりですから。

こういった事を踏まえた上で、お読み下さるなり、読まずに通り過ぎるなり・・・・・・ご自由に どうぞ

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キ ズ

左手に残る傷は、良心とか罪悪感とか、そういうモノをまだ持っていた頃の名残。
右腕に残る傷は、迷いとか苦しみとか、そういうモノがまだ残っていた事の証し。
流れ出たモノと共に、全て絞り出した。 傷と共に、全て断ち切った。
今も尚 知らしめす その印は、愛する事をも捨てた 証印となった。
「誰も愛してはいけない。 愛されてはならない。 お前には、その資格は、無い。
 考えてもみろ。お前がした事、しようとしている事を。
 お前に"愛"は、必要 無い。」
 
しかし、傷は消えてゆく。 記憶と共に、薄れてゆく。
全て流したはずなのに、全て断ち切ったはずなのに、
やがて渇望する。"愛"というモノを。
記憶や想いは薄れゆく。 ロウソクの炎のように、消えそうになる。
「お前は何をしているのだ 。思い出せ。 消してはいけない。 まだ、遂げられてはいない。
 思い出せ。思い出せ。」
 
良心とか罪悪感とか、迷いとか苦しみとか、
記憶、想い、現実、未来、
それらによる呪縛から 解放されたい想い。
「解放される事など 無い。 解放される必要も、無い。 それが、お前の希望だからだ。
 お前はその為に生きているのではないか。
 解放されたくば、
 自らを断ち切れ・・・・・」
 
しかし、心は叫ぶ。・・・誰か、助けて・・・と。
「誰にもお前を助ける事は出来ない。」
それでも、捜し求めてしまう。 包み込んでくれる人を。
「お前を包み込める者など、居ない。」
 
「探してはいけない。
 頼ってはいけない。
 お前の事に巻き込んではならない。
 お前の背負う荷を、背負わせては ならない。
 お前には、"お前"が居るではないか。 お前が"彼"と慕う、お前が。
 彼と共に生きるがいい。彼と共にやり遂げるがいい。
 彼は、良きパートナーだ。
 心や感情という厄介なモノは、全て彼に任せればいい。
 彼は、程好く管理するだろう。」
 
確かに彼は、良きパートナーだ。
ずっと一緒にやってきた。 いつも一緒だった。
感情がこらえきれなくて、自分を押さえる事が出来なくなりそうな時も、
彼は程好く静めてくれた。
いつも、側にいてくれた。
でも、今は、居ない。
 
私の中に居るのは判る。 遠くから静視しているのが判る。
こちらへは近づかず、呼びかけても返事も無い。
・・・・・・何故?
何故、今更遠ざかる。
管理していたモノを放り出し、いったいそこで何をしている。
弱い私だけが、取り残される。
 
探してはいけない。
頼ってはいけない。
巻き込んではいけない。
背負わせてはならない。
独りで抱え込むしかない。
知られてはならない。
感付かれてはいけない。
引きこもってもいけない。でも、
彼無しでは、辛すぎる。
彼無しでは、重すぎる。
いったい何をしようと言うのか。
いったいどうしろと言うのか。
お前が言う"彼"は、
居ない。
 
彼は、私に、どうしろと言うのか。
 
彼は、良きパートナーだ。 全て分かち合ってきた。 何をするにも一緒だった。
彼の裁量は、いつも適切だった。
しかし、今は、彼はお前に敵対する者だ。 なのに、何故、彼を持ちだす。
彼は今は一緒に居ない。 なのに、何故 「彼と共に」 と言う。
昔に戻れと言うのか? 独りだった頃に。
誰も信じず、誰にも頼らず、愛というモノを捨て、光に背を向けた頃に。
しかし、それは続かなかったではないか。
彼が居ても、駄目だったではないか。
あの頃に、何の意味があると言うのだ。
今、お前と共に居る事に、いや、お前に戻る事に、
何の意味があると言うのだ。
 
「心や感情とは、厄介なモノだ。 お前をこうして苦しめる。
 罪とか 罪悪感とか 迷いというモノは、良心と心から産まれ出る。
 それらはお前を、こうして苦しめているではないか。」
しかし、そうしたモノを捨てたところで、いったい何が残るというのだ。
「考えてもみろ。お前がした事、しようとしている事を。
 『今の私は違う』 と言いながら、お前は何をしようとしている?
 お前は守備良く事を進めているではないか。着実に、目的に向かっているではないか。
 それは、何故だ?
 答えてやろう。
 それは、お前の希望だからだ。 それは、お前の生きがいだからだ。
 意識的であれ、無意識であれ、お前はそれに向かって生きているのだ。」
 
そう、確かに一つの目的がある。 ずっとずっと昔、まだ、幼い頃からの。
それは、消える事無く、途切れる事無く、くすぶり続けている。
しかし、それを否定する私も居る。
「そんな事をして、何になる。」
「やるなら早く殺っちまえよ。」
「しかし、そうしたら、生きる目的が無くなるぞ。」
「やっちまえば、後は楽じゃないか。 自由だぞ。」
「その後は、何を目的に生きるというのだ。」
「何なりと、好きなように。」
「愛する事を捨てたのに、何を生きがいにするというのだ。辛いだけではないか。」
「早いとこ済ませて、好きなように生きた方が楽だぞ。」
「なるべく先延ばしにして、確実なチャンスを待った方がいい。今はまだ、危険が大きい。
 それに、それをやり遂げるまでは生きてゆける。」
「苦しみながら生きるのか?そこまでして、何故、生きようとするのだ。」
「早く済ませたとて、苦しむのは同じ事。 後が楽になるとは思えない。
 苦しむのは、こいつがした事、しようとしている事への、自分で与えた罰だ。
 逃れる事は、出来ない。」
「早くとも遅くとも、そんな事はしてはいけない。」
「ならば何故、思い続ける。何故、考え続ける。」
「そうだ。何の為の準備だ。」
「準備では無い。 普通の事だ。 普通に行動しているだけだ。
 親の面倒を見るのは、子の勤めだ。 良き伴侶である事もそうだ。
 誰の目から見ても、良い事をしているだけだ。」
「そう、誰の目から見ても、良い事だ。 しかし、それが狙いだろう。」
「そうだ。 自分のリスクを最小限にし、確実に、そして、楽しみながら。」
「リスク? それを実行したら、大きなリスクがあるではないか。
 周りの人達を巻きこんでしまう。」
「巻き込まない為の下準備だろう?」
「全くだ。 面倒な人間関係なんか作りやがって。」
「だから、なるべく先延ばしにした方がいいだろう?」
「まぁ、その方が動きやすいがな。」
「そうさ。 一人で動けるようになるまで待て。」
「しかし、それを言うなら、早い方がガキとの時間だって増えるぞ。」
「子供か。・・・厄介な存在だ。」
「オレ達を止めようとするヤツが作ったモノだからな。
 実際、『厄介な』 と言いながら、お前だって好きじゃぁないか。」
「・・・まぁな。 それもあるから、子供が家を出るまで、大人になるまで待てと言うのだ。
 それまでは、良き親でいればいいんだ。」
「だが、早く済ませた方が、ガキとの時間が取れるだけで無く、自由に出かけられるんだぞ。
 会いたい奴に会う時間も作れるかもしれない。」
「しかし、早く済ませようとすると、一人残るぞ。 そいつはどうするんだ。
 もっと面倒な事になる。
 もっと時間が経ってから、そいつもついでに片付けられるようになってからの方が、手間も危険も少なくて済む。」
「・・・確かにな。 処理は楽だ。」
「それにしても邪魔なのは、この、止めるヤツだ。」
「そうだな。 おまけに、こいつの味方が 他に二人も居るしな。」
「いや、一人だろう? 彼は今、参加していない。」
「あぁ、そうだったな。
 しかし、こいつの味方は、オレ達をも増幅してくれた。」
「はははは、そうだな。 今までは彼に抑えつけられていたが、やっと楽になった。」
「さて、誰が消える事になるのか。」
「消えるのか? オレ達は一人だぞ。 こいつも、この止めるヤツも含め、オレ達は同じトコロに居る。
 消えるなら、彼だ。
 彼はこいつが産みだした、オレ達とは別のモノだ。
 オレ達はこいつと同じトコロに居るが、彼は違う。 彼はここの外に居る。」
「彼と"性"だけ残るって事は?」
「あり得るな。
 しかし、その場合、オレ達と共に、こいつも、この止めるヤツも消えるのか?」
「・・・・そういう事になるかもな。
 オレだけが残っても、お前だけが残っても、誰が残ったにしても彼は影響されないだろう。
 今は出てこないが、彼はオレ達の誰よりも強いからな。
 今や、こいつより強い存在になっている。・・・・・嫌な存在だ。
 こいつに取って代わるつもりなのか?彼は。 心や感情など、無いくせに。」
「はははは、そいつは傑作だ! 従者が主人になろうというのか?
 こいつやオレ達に代わって。
 彼が主人になったところで、感情の無い、ただの人形じゃぁないか。」
「彼なら、わたしとこいつを残すだろう。 今のこいつには、わたしが一番近い。
 お前達が消えれば、苦しみも軽減されるはずだ。」
「ならば、問おう。
 何故、彼はそうしないのだ。 何故、静視しているのだ。 何故、お前が居るのに、わざわざオレ達を放したのだ。」
「止める心に反するオレ達を、何故、わざわざ放したのだ。
 いつまでも本心を隠しておける訳が無い。
 閉じ込めようとしても、無駄だ。 彼の後ろに隠されるオレ達を無視しようとしても、無駄だ。
 オレ達の方が、お前より強い。」
「本心? お前達が本心だと言うのか。
 確かに、わたしの方が、後から産まれた。
 それは、お前達に対抗する為だ。 お前達を、彼と共に抑える為だ。
 お前達が本心ならば、わたしが産み出されたのは何故だ。
 何故、こいつはわたしを必要としたのか、答えてみろ。」
「産まれたのでは無く、弾き出されたのかもしれないぜ。」
「そうだな。 人間には、産まれつき"良心"というモノがある。 お前の事だな。
 そいつが邪魔になったから、こいつは自分の中から弾き出したのではないか?
 違うと言えるか? 言えまい。
 "性"と同じように、弾き出したのだ。」
「弾き出されたのなら、わたしはお前達とは違うトコロに居るはずだ。
 しかし、わたしは、お前達と同じトコロに居る。
 こいつは、わたしを増幅したいのだ。 お前達に打ち勝つ為に。」
「ふん、ほざいているがいい。 お前が産まれたところで、こいつの目的は変わっていない。
 彼が出てこない今、お前は弱い存在だ。 こいつのようにな。」
 
・・・勝手に しゃべっているがいい。 
 
目的は、果たすにしろ、果たさないにしろ、消える事は無いだろう。
目的を果たしたら、静かに、ゆったりと、暮らしてゆこう。
それまでは・・・・・・
「その目的は捨てなさい。 もう、忘れなさい。
 そんな事の為に、いつまでも苦しむ事は無い。」
「全ての元凶だぞ。 そんな存在を忘れる事など出来るものか。 目的を忘れる事など出来るものか。
 一生苦しめられるつもりか?
 邪魔なモノは消せ。 そして、早く楽になるんだ。」
元凶を消しても忘れても、体に残る感覚は、消す事は出来ない。
「それも、消す事は出来るはず。
 愛する事を諦めては駄目だ。 愛する事を捨てては駄目だ。」
愛? 愛なんて、知らない。判らない。
「学んだはずだ。 知らないなら、人に語れる訳が無い。」
・・・・・・確かに、頭では判る。 愛するとは、どういうモノなのか。
でも、その感覚は、解からない。
だいいち、誰を愛しろと言うのか。 愛する者など、居ないではないか。
いったい、誰の何を愛しろと言うのか。
裏切られ、否定され、避けられ、継続する愛など無かったではないか。
ほんの一時愛されたって、その後に裏切られたり否定されたりするようなモノならば、
要らない。
私にしたって、同じ事。
元々愛すべきモノが無いのに、誰の何を、どう愛しろと言うのだ。
愛なんて、邪魔なだけだ。 心や感情なんて、厄介なだけ。 良心なんて、苦しむだけ。
全て、要らない。要らない。 要らない。
「ならば、何故、泣くのか。 何故、彼に頼るのか。
 何故、あの人に頼ろうとするのか。
 何故、あの人の重荷になる事を気にするのか。
 一人で考えては、駄目だ。」
では、どうしろと言うのだ。 何故、彼は出てきてくれないのだ。 何故、彼は、お前達を野放しにしておくのだろうか。
・・・・・私に統治しろと言うのか?
それとも、私の中に全て戻そうと言うのか。
こんな状態の時に、それは無理だ。
自分の事すら解からないのに。 自分の気持ちすら、解からないのに。
「自分の事が解からないのは、誰で同じ。
 自分の気持ちが解からないのは、誰でもある事。
 おまえに限った事ではない。」
 
私は、どうしたらいいのだろう・・・・・・
 
「一番したい事は何? 一番したくない事は、何? 一番辛い事は? 一番楽しい事は?
 自分の中で、一番大きくしたいモノは何? 消してしまいたいモノは、何?
 一番、大切なモノは、何?」
それは、考えても、考えても、堂々巡りになってしまう。
「考える事を諦めないで、考えなさい。 考えてみなさい。」
 
一番したい事は・・・・・・一番の希望は、安心したい。
この呪縛から、解放されたい。
何をするにも付きまとうこの呪縛から、解放されたい。
一番したくない事は、昔の自分に戻りたくない。
戻ってしまえば、確実に目的を遂行するだろう。 その目的は、一番したい事でもあり、一番したくない事でもある。
一番辛い事は、包み込んでくれる人が、居ない事。
一番楽しい事は・・・・・・
 
安心する事も、解放される事も、出来そうな気はする。
私をすっぽりと包み込んでくれそうな人は、居る。
その人と話している時が、一番楽しい。
楽しかった事、悲しかった事、辛かった事、辛い事。 何でも話せる人が居る。
その人は、私を昔に引き戻したりはしないだろう。 弱い私を知っている。
こんな私でも、包んでやると言ってくれる。 抱きしめてやると、言ってくれる。
でも、
それは、出来ない。
それは、してはいけない。
その人に、頼ってはいけない。 巻き込んではならない。
・・・・・・その人を愛してしまった訳ではない。
恋しいとか愛しいとか、そういう気持ちとも違う。
でも、頼ってはいけない。
何故、そう思うのかは、判らない。
重荷になりたくないと言うだけでは、無い。 もっと他の、何か。
・・・・・・なんだろう、この気持ちは。 判らない。
頼りたいのに、頼りたくない。 すがりたいのに、すがりたくない。・・・苦しい。
でも、その人と居る時が、一番安心出来る。 一番落ち着く。
安らぐ事が出来る。
・・・会いたい。 会って、話したい。 色々な事を。
でも、会いたくない。 会うのが、恐い。
・・・自分を失いそうで、恐い。 私の知らない私が出て来そうで、恐い。
私の知らない、自分でも解からない本心が出てくるのが、恐い。 でも・・・・・・・・・会いたい。
 
「ならば、会うがいい。
 会って、話すがいい。全て。
 恐れる事は無い。
 それでおまえが壊れる事は、無いから。
 それであの人が去る事も、無いから。
 自分から逃げてはいけない。」
自分から、逃げては、いけない・・・。
私は、逃げているのか? 自分から。
 
傷は、消える事無く、残る。
時と共に薄れても、決して消える事は無い。
でも、忘れる事は出来るだろうか。 気にならなくなる事はあるのだろうか。
それとも、やはり、一生消えずに残るのだろうか。
 
もし、一生残るのなら、
この体から、肉という肉を、全て削ぎ落としてしまいたい。
これ以上、傷が出来ないように。
この頭の中の物を、全て絞り出してしまいたい。
記憶したり、考えたり、感じたりしないように。
いっその事・・・・・・。
 
もう、とうの昔に、狂っている。
何にも動じない。 何も、感じない。
この手で人に手をかけても、残るモノは、その感触だけ。
罪悪感とか、恐怖とか、後悔などというモノは 無い。
なのに、何故、あの感覚は残るのか。
あの 手の感覚だけが。
あの 手の感覚が、 腕に 足に 首に 背に・・・・・・・・・体中に。
思い出したく無くても、体が覚えている。
頭の中では、覚えている。
閉ざすしか 無いではないか。 五感を。 心を。 全てを。
耐えられる訳が 無いではないか。
もう、何にも動じない。 何も、感じない。 何も、要らない。
  
「では、あの人の言葉に動揺したのは、何故だ?」
何故・・・・・・・・・それは、
それは、初めて聞いた言葉だったから。
あんな反応は、初めてだったから。
・・・あんな人は、初めてだったから。
私はどうしたら良いのか、判らなくなってしまったから。
「ならば、あの人に任せてみるがいい。」
それは、恐い。
「恐い? あの人が?」
違う。私が。・・・自分が、恐い。 自分がどうなるか判らない。 それが、恐い。
「そうやって、一生逃げるのか? 一生、隠すのか? 
 自分をごまかして 生きるのか?
 一生、苦しむのか?」
・・・・・どうしろと言うのだ。 この私に、何をしろと言うのだ・・・・・・・
彼が手を退いている今、私一人に、いったいどうしろと言うのだ。
「・・・・・・・・・・・・・・答えは、解かっているはずだ。
 それを否定し、ごまかし、拒否しているのは、
 他でも無い。 おまえだ。」
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その後、この主人公が どんな選択をしたのか。 どうなったのか。 何を したのか・・・・・・・

肉親の愛情は、時として間違った方向に進む事があります。 そして、一生残るほどの大きな傷とも成り得ます。
自分を守る為に全てを拒否し、閉ざし、捨て、自分の殻に閉じこもっても、尚 癒える事はありません。
普通に考えれば、精神科を受診すれば良いのでしょう。 しかし、この主人公は、そうはしません。
差し出された手に、すがろうともしないでしょう。 助けて貰いたいけれど、助かりたくは 無いのです。
何故って・・・・・・今の この状態でこそ、目的が達成できるのですから。 こうなった元凶に、自ら手を下す事が できるのですから。
 
この独白は実在の人物がモデルになっているのか、それとも、想像上の人物なのか。実際にあった事なのか、考えついたお話なのか。 何処がフィクションで何処がノンフィクションなのか・・・・・・・・。
 
こういったミステリーも、たまには 良いでしょう?  事実は 小説より 奇なり・・・とも、言いますが(微笑)

  

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