さようなら

  

出会いは、どんな感じでしたっけ。
いつ、何処で出会ったんでしたっけ。
いつから どうして 好きになったんでしたっけ。
もう、ずいぶん前の事でしたから、
忘れてしまいましたわ。
確かに昔は あなたの事が好きで、
一緒にいられるだけで、幸せでしたわ。
あなたとの子供が産まれた時が、
私の一生の中で、一番幸せだった時でしたね。
・・・いつからか、すれ違う事が 多くなり、
いえ、それは、たいした事では無いんですよ。
そう。その頃は、たいした事では無かったんですの。
でも、色々な、小さな事が積み重なって、
わたくしは、もう・・・・・・・・
・・・・・・・・いつからでしたっけねぇ。
わたくしが、日曜というと出かけるようになったのは。
あなたより先に休ませて戴くようになったのは。
いつからでしたっけねぇ・・・
あなたといる事が、苦痛になったのは。
あなたは何も気付きませんでしたね。
あなたは、わたくしの気持ちなど、何も気付きませんでしたね。
あとの事は、宜しくお願いしますね。
もう、戻りませんから。 帰っては 来ませんから。
わたくしは、わたくしの人生を送らせて戴きますわ。

  

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