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管理人の日記















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どういう…ことだ…? |
最近のパソコンソフトは、DL自体は無料で、「ライセンス」という使用権を有料で販売していることが多い。しかし、これが異様に複雑であり、身の回りの概念で例えられないこともあって、ほとんどの場合、解決不能な難題と化す。
…例えば、ここ1週間以上、私が苦しめられていた問題は、「約1年前に買った端末の、Officeのライセンス切れ」である。該当端末では、WordやExcelに加えて、Accessというデーターベースソフト(?)も使っていたようだ。物理ディスクの存在しないダウンロード版であり、インターネットに接続して認証することで、利用が可能となるタイプである。
――ちなみに、こういうものは、だいたい2週間とかそれくらい前から、「ライセンスがもうすぐ切れますよ」と警告をしてくるのだが、今回の案件では、当然のごとく、切れてから電話が掛かってきた。「もう今日から全く仕事が出来なくて困るんです」って、そりゃそうだ。まあ、病院とかでも、どうしようもなくなってから医者に何とかしてもらおうとする人は山程いるらしいから、世の中、こういうものなのだろう。
さて。当初、私の部署の職員たちは、皆が皆、「インターネットに繋いでライセンス認証をすれば終わりだろう」くらいの、簡単な問題と考えていた。普通はそれで終わるのだ。しかし、実際には、解決までに1週間以上が掛かる、過去最大の難題となってしまった。目の前に、ライセンスキーがあり、ソフトウェアもあり、インターネットにも繋がっている。なのに、認証ができないのだ。意味不明である。
さて。最近の、「DL版Office」の詳しい構成について、述べておこう。前述の通り、ソフトウェア自体のダウンロードは無料であるが、それを利用するには、「ライセンス」というものを買わなければならない。マイクロソフトには、「Microsoftアカウント」というものがあり、そこでOfficeを購入すると、アカウントに対して、「あなたはOffice
Ver.XXを使えます」という情報が付与される。その状態で、DL版Officeをダウンロードしてログインすると、晴れてOfficeが使用可能となるのだ。
…または、「ライセンスキー」と呼ばれる、25文字のパスワードが付与される場合もあり、インターネットに繋いでそれを入力することで、アカウントに対してOfficeの使用権が付与される。この、“アカウントと利用権が紐づいた状態”は、解除ができない。昔のように、ライセンスキーを書き写してインストール時に入力すれば、何台にでもインストールできる…という時代ではないのである。
――ちなみに。私が、この秋に新しいパソコンを買ったとき、何故かOffice2019が最初から使用可能だったが、それは、その前に使っていたVAIO
SX14 (2020)に、永続型のOffice2019使用ライセンスが付いており、その時と同じMicrosoftアカウントで、新しいパソコンにログインしたからだと思われる。なるほど、このライセンス制というのも、悪いところばかりではないというものだ。
というところなのだが。今回の弊社の問題では、何もかもが分かっているのに、何故か全く認証がされない。そもそも、普通は、インターネットに繋がった瞬間に、認証が為されて、それで終わりのはずだ。そして、それで駄目な場合も、マイクロソフトのページにログインして、ソフトウェアを再ダウンロードすれば、自動的に認証された状態でソフトが始まるはずだ。更に、ライセンスキーも分かっているため、全て駄目な場合にも、ライセンスキーを入れ直せば通るはずなのだ。それなのに認証が為されない。ちなみに、「パスワードが間違っている説」や、「1年だけのライセンス説」など、いろいろな可能性を考慮したが、それも関係が無かった。最近、私のところにやってくる問題、こういうのばっかり…。
――ちなみに。具体的なエラーメッセージは、Officeソフトウェア内でログインをしようとした時、「この機能は管理者によって無効にされています」と出てくるというものだ。あまり意識していない人が多いと思うが、会社などで使うパソコンには、「一般ユーザー」と「管理者ユーザー」というものがあり、ソフトウェアのインストールや重要な設定変更などは、「管理者ユーザー」でログインした状態でないと不可能になっている。もちろん、私はSE部なので、管理者ユーザーのID・パスワードを知っている。だが、それでログインしても、「この機能は管理者によって無効にされています」で跳ねられてしまうのだ。誰だよ!!
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ちゃんと機械はメンテナンスしようね |
そうして、私は、最終手段の「Microsoft
サポートチャット」を使うことにした。マイクロソフト社員が、リモート操作で問題を解決してくれるというものであり、切り札である。弊社のトラブル対応マニュアルにも、「これでも駄目なら」と、奥の手として書かれており、私の寄せる期待には絶大なものがあった。実際、謎の外国人が、機械翻訳を使いながら、親切丁寧に教えてくれたのだ。もちろん、問題は解決しなかった。指示内容は、ドメイン(社内ネットワーク)に入ってから、再度認証を行ってみてほしいというものだったが、やってみたところ、やはり正体不明の「管理者」によって拒否されてしまった。この問題は、マイクロソフトですら匙を投げたのだ。どうしろと?
――しかし、ここまでの展開で、以下のことが分かったのだ。
@メールアドレス(アカウント)
AOfficeのライセンスキー(利用権)
→ この@とAが結びついており、両方とも正しいものと分かっている(確定事項)
B問題のパソコン
→このパソコンで@を入力してログインすれば、@とAとBが繋がって、Officeが利用可能になる(確定)
ところが、この繋がりを、「管理者」なる人物が邪魔している
→
だったら、その「管理者」を消してやれば良いんじゃね!!!???
かくして。私は、そのパソコンに巣食っている自称「管理者」を抹殺するために、パソコンのクリーンインストールからやり直すことにした。工場出荷状態に戻せば、管理者などは全て消え去るに決まっている。ネズミ1匹を倒すために地球破壊爆弾を使うようなスケールだが、Officeが使えない職場のパソコンなど、ただのデカくて邪魔な電卓である。もう、これくらいしか試せる手段はないと、やってみたのだ。
…さて。今どきのパソコンは、再セットアップも、インターネットで行うらしい。弊社では、業務用PCをグローバルなインターネットに繋いでいないが、問題はあくまで、個人情報の流出やウイルスへの感染であって、「まっさらなPCをインターネットにつなぎ、まずは各種のアップデートなどを適用、切断した後に社内ネットワーク用のPCとする」という方式は、OSを最新の状態にできるという意味で、むしろ推奨される。
――というわけで。PCを全てクリーンナップしたあと、真っ先にOfficeをダウンロードし、既知のメールアドレスでログインしたところ、見事に、Officeの認証が為され、ようやく使えるようになった。というか、これが普通である。むしろ、誰も存在を知らない「管理者」とやらが、認証を妨害していた事態のほうが、異常であったのだ。
ちなみに。このパソコンは、2024年12月に購入をしたらしい。当時、まだ私はSE部に居なかったので、詳細は不明だが、どうも、最初からSE部でセットアップしたのではなく、「@まず物品課が購入して初期設定し」「Aその後に我がSE部に調整が回ってきた」ようだ。ここに問題があったと、私は見ている。ただでさえ、ライセンス=「DL版ソフトの使用権」なんてものは、体感的にわかりづらく、記録が霧散しやすい。それが複数部署にまたがって行われ、適切な記録が取られていなかった。そして、「B現場」からも、「もうすぐライセンスが切れてOfficeが使えなくなりますよ」と警告が無かったわけがないのに、実際に期限切れで使えなくなってから、初めて連絡が来た。ということで、今回の案件は、不幸な事故でもなんでもない。情報機器の不適切な管理によって起こった、必然だ。負けて当然の戦いだったのである。
――ちなみに、私は、そんな中、這いずり回って、「パソコンの再セットアップから始める」という方式で問題を解決したのだが、それだけでなく、代替機の準備や、各部門への連絡など、全てをほぼ1人でこなした。その他にも、同レベルに厄介な案件を複数かかえつつ、普段の電話対応や、何もしてないのに壊れる機械たちの交換などもしながら、である。いやあ、正直、パソコンが好きだから何とかなっているだけである。
(2025年12月17日)















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