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PSvitaゲーム感想そのB:「ネットハイ」 / やり込みinFF

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管理人の日記
俺氏さん超絶リア充だよねこれ?

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奇ゲーと見せかけて凄く王道なところが魅力です


 0泊3日のVitaゲーム紹介企画も今回がラストである。第3弾は、唐突に現れた新規タイトル:「ネットハイ」についてレビューしてみることにしよう。
 …この作品は、今年秋辺りから「リア充を爆発炎上させるゲーム(?)として、主にネット上の広告などで目にしたタイトルであった。その内容は、お馴染み「逆転裁判」「ダンガンロンパ」のような推理アドベンチャーであり、その題材として「ネットに蔓延するリア充たちの嘘を暴く」というものを取り扱っている。インターネット上の様々な媒体を通して情報を集め、怒りの炎でリア充たちを爆破するのだ。
 ――さて。こう書くと、(;・∀・)「常日頃から『リア充タヒね!』などと言っている管理人にお似合いなのでは?」と思う方々も多いかも知れない(いや、むしろ最近は無関心に近くなってきて何も言ってないんだけど…)。が、実際には真逆であり、俺はこのタイトルを当初から敬遠していた。理由は簡単、自分から「痛快」を名乗っている作品が本当に痛快だったためしがないからである。こういう「自称痛快」は、だいたい他人を罵倒して自分が気持ち良くなっているだけの「不快」でしかない。それに俺は、ユーザーの信頼をないがしろにして一発ネタで盛り上がれば良いというマーケティングが大嫌いである。だから、この「ネットハイ」という作品に関しても、それこそ「炎上」狙いのゲームとして、全くプレイしようとは思っていなかったのだ。

 ところがどっこい。俺は、せっかく名前を知っているのだから体験版くらい落としてやろうとダウンロードを行い、暇潰し程度にプレイしようかなと遊んでみた。するとどうか、上記の評価は一変したのだ。「ネットハイ」は、題材が風変わりなだけの、綺麗にまとめられた王道推理ゲーだったのである。
 …どういう意味かと言うと、まずグラフィック・サウンドなどの演出面は、PSvitaの性能を活かして高水準にまとめられている。「推理ゲーでグラフィック・サウンドが重要なのか?」と思う人も居るかもしれないが、ここが駄目だとそれだけでやる気が無くなってしまうので、ゲーム性を決める極めて重要なポイントである。特に俺は、Vitaで2Dベースのゲームをプレイするのは初めてだったため(※「ダンガンロンパ1・2 リロード」はPSP版の移植)、そのあまりの美しさに改めて驚愕してしまったものだ。その他、各種操作性やおまけモードなどのシステム面も、新規作とは思えないほどに完成度が高くなっている。
 ――また、推理ゲーで最も重要となる「話の内容」であるが、本作のテーマは「リア充の嘘を暴いて炎上させる」というものであり、当初は「調子に乗っている人間の揚げ足取りをして引きずり下ろし嘲笑する」といった、現実世界の「炎上」のような不愉快そのものの内容を予想していた。しかしながらそれは本作のストーリーとは全く異なる。本作のライバルキャラクターである「リア充」は、みな何らかの理由で心に傷を抱えており、「リア充」という華々しい肩書きとは裏腹に、虚勢を張りながら生きている。そして、そういったリア充たちの「嘘」を暴き、「もっと自分の本当の姿で生きていっても良いのではないか」と諭すのが、本作の目的なのだ。そういうわけで、本作には事件解決後に嫌な雰囲気になるようなエピソードは何一つとして存在せず、むしろ少年漫画を読み終えた後のような清々しい気持ちでいっぱいになるのだ。「リア充爆発」「炎上」「痛快」などという言葉から受ける印象とは正反対の、まさに王道と呼ぶべき展開なのである。

この漫画っぽいキャラデザも好き


 ではここからは、もう少し具体的にゲーム内容に踏み入っていくことにしよう。
 …最初に、この手のゲームで重要となるキャラクターであるが、まず主人公の「俺氏」年齢=彼女無し歴の21歳フリーターという典型的非リア充(?)であり、ひょんなことからリア充たちを相手に戦いを挑んでいくことになるのだが、その行動理念は「大切な人を守るために戦う」という熱血漢そのものであり、主人公として相応しいキャラクターとなっている。これ絶対非リア充じゃないだろ?とか言ってはいけない。また、本作のヒロインと言える「シル」は、主人公をサポートする人工知能として登場するのだが、人間たちの世界に対して興味をいだいており、様々な行動によって物語を動かしていく。そしてかわいい。このメイン2人の軽妙な掛け合いは、まさしく全盛期の「逆転裁判」を彷彿とさせるものであり、声優さんたちの熱演も相まって、物語の親しみやすさを大きく上げてくれている。そして、この2人が戦いを通してどのように成長していくかということも、このゲームの大きなテーマの一つなのだ。
 ――続いて、本作で敵として登場する「リア充」たちは、どれも非常に個性的な人物であり、様々な主義主張を元に主人公へと立ち向かってくるのであるが、俺のお気に入りは1章・2章で登場する「Mr.エリート」「hime」である。この2人は、序盤で登場するということも相まって、撃破後には味方側のキャラクターとして主人公に多く協力してくれるようになる。倒した相手が味方になって再登場するという、これまた少年漫画の王道なのだ。こういった点も、またこの物語の面白さを深めてくれていると言えるのである。

 では。ここまで、この「ネットハイ」というゲームについて「王道」という形容を数多く用いてきたのだが、では「炎上」「爆発」などの言葉に代表される“ケレン味”が薄いかというと、全くそんなことは無い。むしろ、ピリリと辛いスパイスとして、物語全体に行き渡っているのである。
 …例えば主人公は、ことあるごとにオタク趣味で盛り上がって「デュフフフ…」と奇声を漏らすが、その度に必ず女性陣から「キモい」と突っ込まれている。このボケ→ツッコミの流れは、もはや一種の様式美とでも言うべきだ。また、主人公は21年の人生で多くの黒歴史を作り出しており、その頭を抱えるような内容には思わず親近感を抱いてしまう。そして、ツイッター・動画サイト・レビューサイト・ボーカロイドなど実在するネット文化をモチーフとした物語展開は、これまでの推理ゲーには無かったものであり、懐かしさと新鮮さを同時に感じることができる。
 ――そしてもちろん、理解し尽くせないほど大量のネットスラングが用いられていることも特徴の一つだ。やれ、この手の家庭用ゲームに“ネットスラング”と言うと、制作者の自己満足や受け狙いのための悪手と捉えられることが多いが、本作ではネット世界を舞台にしているということもあり、少なくとも俺は不愉快に感じるようなことは無かった。もちろん、一番のお気に入りは3章の例のアレである。もはや笑うしかない…w

だんだん罵られるのが気持ち良くなってくるんだよなあ…


 というわけで。「ネットハイ」は、“ネット世界での炎上”と言った目を背けたくなるようなものをテーマとしていると見せかけて、その実は親しみやすい王道の推理アドベンチャーであった。PSvitaの性能を活かしたグラフィック・演出・サウンドを皮切りに、漫画のような分かりやすいキャラクターデザイン、“自称痛快”ではない清々しいエピソードの数々、魅力的な登場人物たちの掛け合い、そして思わぬ方向へ発展していくメインシナリオなど、本作の魅力となる要素は数多い。「逆転裁判」「ダンガンロンパ」などの推理ゲームが好きな人ならば、プレイしてもまず損をすることは無いであろう。
 …ちなみに、問題点と言えば、この手のゲームの宿命として「1回クリアしたら終わり」となってしまうことであるが、それでもプレイ時間は20時間程度と、推理ゲーとしては標準的なものである。また、「推理ゲームとしては簡単すぎる」という点もあり、「突っ込みを入れる場所が赤字で示されている(アップデートを適用しない場合)」「証言のたびにわざわざ証拠品が3個前後に絞られる」「サポートキャラがヒントまで与えてくれる」など、ハッキリ言ってゲーム性が皆無に近いレベルである。しかしながら、この手のゲームのキモは「話を読むこと」であるため、そこまで大きな問題とは言えない。せいぜい、最後2人のリア充が物語上の位置付けとは違って弱すぎることが残念というくらいだろうか。まあスク水とか無線機彼みたいのが無くて良かったです。

 そんなわけで。唐突に現れたこの「ネットハイ」は、俺の中で瞬く間に指折りの年間お気に入りタイトルの座にまで上り詰めてしまった。そのため、ネットを愛する当サイト読者の方々にもお勧めしたいのだが、残念ながら一般的な知名度は低く、新品・中古ともにパッケージ版の入手は困難である。そのため、興味を持った方にはダウンロード版の購入も検討していただきたい。その場合、ゲーム冒頭の1章をほぼ全て遊べる体験版が配信されているので、まずはそちらをダウンロードしていただけると良いだろう。やはり、ネット世界が舞台ということでどうしても好みの分かれる内容なのであるが、もし1章が楽しめたのであれば、その後の物語も間違いなく熱中して進めていけるはずである。
 ――ちなみに。俺に関してはと言うと、先週辺りに1週目をクリアしたのだが、( ^o^)「まだまだこの世界に浸りたい!」という気持ちを抑えることができず、この手のテキストアドベンチャーとしては初めて、クリア直後に2週目をプレイするという行為に至ってしまった。うむ、わざと間違えた回答を選ぶと味のある反論が帰ってくるし、1週目は聞かなかったボイスを余すことなく味わっていくのも良い。そんな「ネットハイ」、皆さまも是非どうぞ。

(2015年12月27日) 586 PV

登録タグ/ ゲーム一般
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