管理人の日記 / やり込み in FF

管理人の日記

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一定の役割を果たしていた時期もあったが、最終的に育児放棄をされて終わった


 本日、驚きのニュースが界隈に流れた。あの、ソニー携帯ゲーム機のPSvitaについて、
「2019年度で生産は終了となり、新型および後継機については予定が無い」ということが明らかになったのである。以前にも、PSvitaフリープレイが来年3月で終了というニュースで嫌な予感がしていたが、ついに出荷が終わる予定だということが正式に判明したのである。一応、後継機については「現時点での発表の計画は無い」と濁してはいるものの、まさか前世代が完全に終了してから発売することはあるまい。もう後継機は出ないか、出るとしてもDL版のみなど機能を限定された小規模なハードにしかならないだろう。
 ――というわけで。前日に、PS4/「デトロイト:ビカムヒューマン」の感想記事を書いたばかり
【2018/9/19】なのであるが、さすがにこのニュースは衝撃的ということで、もともと用意していた「PSvitaの思い出」という記事を、急いで書き上げることにしたのである。やれ、最近の当サイトとしては、非常に珍しい連続更新なのであるが、それくらい、このVita終了決定はインパクトの大きなニュースだったのだ。…そんなわけで、次の段落からが、当初の前置きとするはずだった文章のスタートである。なお、本文中で大きく状況が変わった部分は、あえて削除せず、取り消し線これですで示している。



 先日、約4ヶ月の連載に及んでいたFF10プレイ日誌が無事に終了したが、そこではPSvita版の「ファイナルファンタジー10 HDリマスター」が役立ってくれた。だが、そのプレイも終わった今、
今後はもうPSvita用の新作を遊ぶことは無いと思われる。ということで、本日は「PSvitaの思い出」と題し、Vitaが活躍していた思い出を振り返ってみることにしよう。ただし、その内容は、どうしてもネガティブなものにならざるを得ない。
 …まず、
「PlayStation Vita」は、2011年12月に発売された、「プレイステーション」ブランドとして2代目の携帯ゲーム機であり、一時代を作り上げた「PSP(プレイステーション・ポータブルの後継機である。PSPから大きく進歩した点として、本体の画素数は合計4倍(縦横2倍、960×544)となり、画像の鮮明度が大きく上がった。また、1000番台と呼ばれる初期型では、本体ディスプレイに有機ELを用いており、非常に美しい発色を楽しむことができる。これらの画像面に関しては、今でこそ携帯電話でもHD(1280×720)やFullHD(1920×1080)が一般的となったものの、発売当時としては驚異的な高画質であった。また、PSPの左スライドパットに対し、Vitaでは「倒せるアナログスティックが」「左右に」搭載されて操作感が向上し、タッチパネルも前面と後面に搭載されている。本体の処理性能も、PS1と2の間くらいであったPSPから正当進化し、ちょうどPS2と3の真ん中ほどとなっている。
 ――とまあ、Vita本体性能としては実に恵まれていたのだが、
逆に業界事情には全く恵まれないハードであった。まず、PSPでの大ヒットタイトルと言えば、あの「モンスターハンター」シリーズであり、その他にも私は遊戯王カードを楽しめる「タッグフォース」シリーズを愛好しており、この2つは以前の「PSPの思い出」という記事にも、PSPの代表的タイトルとして挙げていた【2016/1/26】。ところが、この2つの作品は、それぞれ事情は異なるものの、両方ともVitaでは素直な続編が発売されず、その意味でVitaは開幕から難しい航海となってしまったのである。

 そんな中での、私のVitaで思い出に残っている新作タイトルとしては、パッと思いついたもので、
「地球防衛軍3 PORTABLE」「『ダンガンロンパ』シリーズ(1・2リロード&V3)」「ペルソナ4:ザ・ゴールデン」「ゴッドイーター2:レイジバースト」「ネットハイ」「ワールド・オブ・ファイナルファンタジー」「デジモンストーリー:サイバースルゥース&ハッカーズメモリー」と、最後に「ファイナルファンタジー10:HDリマスター」あたりであろうか。また、遊戯王カードの「タッグフォース」シリーズは、一応の「遊戯王アークファイブ:タッグフォーススペシャル」という続編が2015年1月に登場し、既にVitaが十分に普及している中でまさかのPSPソフトとして発売されたのだが、一応はVita時代に出たタイトルとして、ここに並べておくことにしよう。
 …まあ、これと言って絞りきれていないのだが、この雑食なところがVitaの良いところでもあり、弱点でもあった。とりわけ時期的には、「ゴッドイーター2:レイジバースト」「デジモンストーリー:サイバースルゥース」「ネットハイ」の3作を遊べた2015年が、私にとってのVita全盛期であった。その後も、「ダンガンロンパV3」「ワールド・オブ・ファイナルファンタジー」など、PS4版が同時発売になったタイトルにおいても、携帯機ならではの遊びやすさを活かし、今年になってからは、FF10やり込みの稼ぎプレイ用として、寝っ転がりながら作業できるFF10HDのVita版が役立ってくれた。
 ――その他、Vitaは、
プレイステーションの過去タイトルをプレイできる携帯機としての需要も大きかった。まず、PS4はPS1/2/3のディスク版&ダウンロード版ソフトを一切プレイすることができず、過去の資産を活かすハードとして使用ができない。その点Vitaは、Vita専用ソフトの他にも、PS1アーカイブスとPSPソフトのダウンロード版をプレイすることができる。これらの古いソフトは、最新ゲームと比べるとグラフィックや操作性で大きく劣るものの、携帯機ならそれもそこまで苦にさせない。主に遊んだタイトルは、「クラッシュ・バンディクー」「ロックマンX」「バイオハザード」などといった定番アクションから、「ファイナルファンタジー・タクティクス」といった今回が初プレイとなるタイトルも並んでいる。こういった過去作を手軽にプレイできる点は、Vitaの大きな魅力であり、この点だけに限れば、Vitaは今後も一線級のハードとして活躍できることだろう。

こうして見てみると、実に多くのソフトが遊べたものだけれど、やはり晩年の印象が強くて…


 そんなわけで。少し前まではVitaは私にとって非常に理想的なハードだったのだが、
もう現在ではその熱も冷めてしまったのである。
 …というのも、私がVitaで新作タイトルを買ったのは、去年冬の「デジモンストーリーサイバースルゥース:ハッカーズメモリー」が最後であり、その後には新作を買うことはもちろん、買おうと検討することすらなくなった。一応、今でもVita用の新作ソフトは発売されてはいるが、ほとんどはPS4版と同時発売であり、おこぼれ的な感じである。そして、一時期はインディーズタイトルなどが積極的に対応しており、携帯機との相性は悪くなかったのであるが、そこですら最近はVitaが無視されることも増えてしまった。もちろん、PSPも末期には似たような状態となっていたのであるが、
このVitaには未だに次世代機が登場していないという違いが存在する。恐らく、もう今後は発売されないであろう。予定は無いことが発表されました。

 やれ。Vitaについて、
「業界事情に翻弄された」と言うと、つい被害者として捉えてしまうものだが、どちらかと言えば産みの親であるソニーも、Vitaを見殺しにした主犯格の一人ではないだろうか。お金を掛けてオリジナルタイトルを投入していたのも初期だけであるし、最近では各種発表イベントでもPS4ソフトしか紹介しないことが普通となった。一時期は積極的であったインディーズタイトルも、最近ではもう誘致していないのだろう。そしてハード面では、私は途中で初期型の1000番台から2000番台に買い替えたのであるが、これがディスプレイが有機ELからただの液晶になった劣化版であり、しかもスティックの動作不良が頻発し、値段も下がってはいないというソニーらしくない粗悪品となってしまっている。これらの問題点を解決した3000番台の登場などを望んでいたこともあったが、結局その願いは果たされそうにない。というか、例えばこの東京ゲームショーでVitaの3000番台が登場したとして、もうこの状況で新たに買うという人はあまり居ないのではないだろうか…。Vitaの新型が出る予定も無いそうです。
 ――そして、決定的なのが、
PSplusのVitaフリープレイが来年3月で終了だということである。同じ時期にPS3も終了するのであるが、PS3に関しては据え置き機として既にPS4への移行が完全に済んでおり、むしろ責務を全うしたうえでの勇退である。ところが、VitaはPS3よりも発売が後なうえに、携帯機としてPS4ではカバーしきれない価値が存在する。そんなVitaまで、同じタイミングで終了させてしまうのである。しかも、最後の1年だから、せめて盛大に盛り上げてくれるのかと思いきや、いつも通り微妙なタイトルしか配信をしてくれない。どうしてこんな酷いことをするんだ…?

 そんなわけで。Vitaは、業界事情に翻弄されたハードであった。もちろん、2015年頃には多数のソフトが発売され、業界で一定の役割を果たしたが、
所詮は一定の役割を果たしたというだけであり、積極的な擁護はそこまでである。その後は、産みの親であるソニーからも見放され、次世代機も登場せず、フリープレイ配信対象からはPS3と同時に外され、惜しまれながらその生涯を閉じるという形になった。恐らく、遠からず生産終了も発表されるであろう。2019年度中に生産終了をすることが発表されました。
 …まあ。確かに、この国のゲーム事情を考えると、携帯機はどうしても難しい存在となってしまう。ご存じの通り、
日本人は携帯電話の課金ゲームが世界で最も好きな民族であり、ブランドや広告といったイメージ戦略にも流されやすい。しかも、ゲーム専用機の性能を超えうるスマートフォンが多くの人に普及しており、そもそも日本以外では携帯型のゲーム専用機という文化自体があまり受け入れられていないのだ。よって、例えばソニーがVitaを強引に流行らせようするのなら、それは恐らく「莫大な開発費と広告費を投入したうえで、ネット工作まで動員し、日本でしかヒットしないオリジナルタイトルをゴリ押しする」といった感じになるだろうが、もちろん私はこんなことをやるべきだったとは思わない。そんなことをするのなら、「海外の有力スタジオに投資をして、世界でヒットするPS4の大作を作り、それを日本にも輸入する」という、現実のソニーが行っている路線のほうが遥かにマシである。
 ――しかしながら。それでも、今のようにVitaをさっさと葬ってしまうような態度は、決して看過することができない。上記の通り、Vita…というか、ゲーム専用携帯機自体が、新作タイトルを出すための場所として適切ではなくなっている。しかしながら、
過去のソフト資産をプレイするアーカイブス用ハードとしてはVitaは未だに最高峰であり、その路線ならば次世代機を出す価値も存在するであろう。それを、まるで育児放棄のように、職務を全うしたPS3と共に葬ってしまうのは、実に悲しい。まあ、スマホ狂の日本には、これ以上の投資をする価値が無いということなのだろうか。ガッカリである。

 やれ。昨日の「デトロイト:ビカムヒューマン」の感想などからも分かるように、世界企業としてのSIEは素晴らしく、ゲーム業界を引っ張っていくに相応しい、信頼できる存在となっている。しかしながら、
その“日本支部”は、残念ながら優秀とは言い難いようだ。そこには、かつて初代プレイステーションで市場を奪い取った勢いは一切存在せず、やることなすこと大半が滑っている。もう、ソニーは海外ゲームの翻訳だけやっていれば良いんじゃないかな…。

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並べてみると確かに日本版(左)のほうが面白そうなので日本スタッフGJ


 今年5月に発売されたPS4/
「デトロイト:ビカムヒューマン(Detroit: Become Human)の2周目をクリアしたので、その感想を書いてみます。概要を述べると、ノベルゲーながらもPS4の性能を活かし、翻訳も丁寧に行われた、ソニーらしいゲームだと思いました。
 …まず、本作「デトロイト:ビカムヒューマン」は、今年5月25日に発売された海外PS4ソフトであり、夢のようなAI&ロボット技術が実現した2038年のアメリカを舞台とし、選択肢を選んでストーリーを楽しんでいくタイプのゲームである。この手の作品は、世間では「アドベンチャー」とジャンル分けしたり、または映像を視聴するという意味で「ムービーゲー」と呼んだりすることもあるが、私はあえて
「ノベルゲー」と称してみたいと思う。その理由は、主として物語を楽しむゲームであり、日本のいわゆる“テキストアドベンチャー”と根本部分が同じであるからだ。ただし、力の入り方は雲泥の差であるが。
 ――さて、私に関しては、先日PS4で「アンチャーテッド:海賊王と最後の秘宝」をクリアーし、最終章が非常に残念という感想に終わった
【2018/8/10】ものの、そのクオリティの高さには圧倒され、引き続き海外ゲームをプレイしてみたいという気持ちがあった。そして私は、現在はゲームに大量のお金を使えるような状況では無いものの、PSNのアカウントを見てみると、既にかなりの額がチャージをされていることが分かった。この通貨は、PSNのサービスが続く限り消滅することは無いとされているが、現金に戻すこともできない。ならば、たまには新作を買ってみるのも良いだろう…ということで、私は前々から気になっていた「デトロイト:ビカムヒューマン」を購入してみることにしたのである。

 そんな感じで本作をプレイした感想は、上記の通り
「PS4の性能を活かした丁寧なノベルゲー」というものであった。
 …まずは、この手のゲームでのキモとなる、
物語部分についての感想についてから行ってみよう。本作の舞台は2038年の米デトロイト市であり、そこでは人間と同等以上の能力を持ったアンドロイドが実用化され、人間の生活を助けていた。しかしながら、良いことばかりではなく、例えばアンドロイドに仕事を奪われて失業率が3割に達していたり、自我に目覚めたアンドロイドによる犯罪が多発するといった負の側面も存在している。そんな中で、プレイヤーは3人の異なる主人公を順番に操り、作中の事件が起こる1週間程度を体験していく。通しでのプレイ時間は、概ね15時間程度と言ったところだろうか。
 ――さて、この「高度に進化した機械が、人間に反旗を翻す」という世界設定に関しては、例えば古くは「ロックマンX」シリーズなどでも扱われてきており、まあSFとしては有り触れたテーマである。ただ、2018年の現在では、
世間の話題としてAIやロボットが挙がることも増えてきているため、より現実味をもって我々に迫ってくると言えよう。そして、本作での取り扱い方は、例えば「ロボットと人間が友情を芽生えさせながら悪と戦っていく」といった王道タイプとは異なり、人種差別(のようなもの)といった重い社会的テーマを、真正面から描くものである。それだけに、単純な勧善懲悪では終わらない、深みのある物語になっている。そしてシナリオは、自らの選択によって、様々な展開へと分岐をしていく。私としては、特に1周目で迎えた悲痛な結末は、自らの優柔不断を強く反省させるものであったと同時に、2周目では必ずハッピーエンドを見てやろうと決意をさせた。

 そして、その物語の語り方であるが、
これもまたゲームならではの特性を活かしていると言える。
 …まず本作の操作部分では、3Dのマップを探索し、物を調べながらストーリーを進めていくという形式を取る。そのチェックできる場所については、R2ボタンで一気に表示ができるため、「物語の進め方が分からなくなってイライラする」といったことは一切存在しない。また、ポイントの調べ方に関しては、
右スティックをぐるりと回したり、スライドパッドをゴシゴシしたりといった特徴的な入力をする必要があるのだが、それもまた「操作が単純すぎて作業感を覚える」「操作が複雑すぎてストレスを感じる」の間のちょうど上手いところを取っていると言えよう。また、物語を分岐させる選択肢に関しては、例えば「傷を負った仲間を助けるか、見殺しにするか」「仲間が撃ち殺されている中、暴力に訴えるか、あくまで対話を試みるか」「銃を構えた犯罪者に対して、人間を守るため盾となるか、それとも犯人の方へ向かっていくか」などといったシビアな選択が連続で表示され、「ただのゲーム」と言わせない迫力がある。そういった選択肢を自分で選んでいくことによる没入感は、映像だけの作品を遥かに凌駕し、本作の最大の魅力であると言えよう。
 ――そして。本作では、そうやって登場人物に感情移入させていくスタイルを取っているため、
海外ゲーとしては珍しく、日本人にも親しみやすい物語になっている。例えば、私のお気に入りキャラクターは、コナー&ハンクの刑事コンビ…はみんな好きだと思うので、意外なところを挙げると、“過激派おばさん”ことノースである。いや見た目やキャラクター性は全く好きではないのだが、なぜか作中で何度もイメチェンを繰り返していくところや、人を殺したり物を燃やしたりすると好感度が上がっていくポンコツ具合、男キャラクターとの友情ルートが無いくせにこのおばさんとの恋愛ルートが用意されている意味不明さ、そして自分で付けた“過激派おばさん”というあだ名の驚異的な語感の良さから、一種の“ネタキャラ”として親しんでいった。

簡単には決められない選択肢と、それによって分岐していく物語への没入感は、本作の大きな魅力


 さて、ここまで、物語面を中心に「デトロイト:ビカムヒューマン」の感想を述べてきたが、ここからはそれ以外の
システム面について語っていこう。
 …まず、本作はPS4で発売されたノベルゲーであり、プレイ前の私は(;^o^)
「PS4であえて物語を読むゲームを出すか…?」と思っていたものであったが、その心配は無用であり、むしろPS4の特性をフル活用した作品になっている。グラフィックに関しては、間違いなくPS4最高クラスであり、単純に画像として美しいことはもちろん、機械ならではの特性を活かしたサイバーな演出は、本作の未来的な世界観を強く印象付けてくれる。また、オンライン要素も存在し、チャプターのクリア後には世界で何割の人がその選択肢を選んだかということを知ることができる。それを見て、自分の選択がどれくらい世間一般の感覚と合っているか知れたり、レアルートに到達できた特別感を味わうことができる。また、上でも少し述べたが、システム面も大変優れており、少なくとも1周ゲームを終えるまではストレスに感じる要素は一切無く、ロードも新規ゲーム開始時以外は全く存在しない。というか、もはや海外ゲームがグラフィックと操作性で優れていることは当たり前となりつつある。日本ゲームの優れている点は…ヒロインのかわいさとか、あと音楽?
 ――そして、それらの評価点を下支えしているのが、
日本SIEスタッフの優れたローカライズである。こういった海外ゲーは、言語の翻訳はもちろんとして、例えば×が決定でがキャンセルなのを逆にしたりなどと、日本文化に落とし入れるための様々な作業を行わなければならず、これを「ローカライズ」と呼ぶ。ここで失敗してしまうと、「殺せ、ロシア人だ」みたいな事件が生まれてしまうわけであるが、「デトロイト:ビカムヒューマン」のローカライズは、作中を通して極めて自然なものとなっている。特に目立たない点ではあるが、こういうのは違和感を覚えさせないのが重要なのだ。加えて、日本語吹き替えも優れており、王道キャラクターから嫌味な敵役、そしてねっとりとした変態科学者まで、様々な登場人物に息を吹き込んでくれている。本作の「海外ドラマっぽい雰囲気」は、彼ら声優たちの名演が支えている面も大きいだろう。

 しかしながら。本作の唯一にして最大の問題点として挙げなければならないのが、
2周目以降のリプレイ性である。
 …やれ。私は、初回プレイでは
主要な登場人物が全員死亡か処分となる悲痛なエンディングを迎えたため、2周目では全員を助けてやろうと思ったのだが、一度シナリオをクリアしても「イベントスキップ」「早送り」「任意セーブ」と言った機能が追加されることは無い。一応、チャプターセレクトも有ることは有るのだが、その機能も完璧ではなく、しかも一部のルートをオープンするためには、序盤から特定のパラメーターを上げ続けねばならず、上げ方のヒントとなるようなガイド機能なども存在しない。結果として、私の2周目は、序盤から選択肢ごとにいちいちポーズをして攻略サイトを参照するという、著しく窮屈なプレイとなってしまった。恐らく、そこまで厳密にする必要は無かったのだろうが…。
 ――とはいえ、確かに、やり直し機能が不親切なのは残念だが、制作側は「できる限りリセットをせず一本の物語を楽しんでほしい」という趣旨のことを述べており、この不便さは意図的なものなのかもしれない。あまり親切すぎると、それこそ日本のエ○ゲーのように
選択肢まで一気にスキップし、未読部分だけを読み進めていくという作業感の強い内容となり、結局のところ一本道のテキストアドベンチャーと変わらなくなってしまう。まあ、本作くらいのクオリティの高い物語が演出できるのならば、そういうゲームデザインでも私は良かったと思うのだが…。

 そんなわけで、「デトロイト:ビカムヒューマン」は、
PS4の性能を最大限に活かしたノベルゲームであり、皆さまにも積極的にお勧めできる作品である。特に、PS4を持っており、海外ゲーに触れてみたくなったり、アクションやシューティングなどとは一味違ったゲームを遊んでみたいという人には良いだろう。一応、PSNでは体験版が配信されており、必ずしも本作の魅力を表現しきれているとは言えない(単発エピソードなので物語性が薄く、独特の操作性も当時の私は面白さより面倒くささを感じた。さらに、交渉ものなので、全ての地点を調べる=事件解決という図式にはならない。そして、交渉部分だけをやり直すような機能が存在せず、周回プレイのやりづらさだけはしっかり表現できている)のだが、そこから遊んでみるというのも悪くないかもしれない。
 …ちなみに本作は、日本ではソニー販売という点も嬉しく、これから幾度と無くダウンロード版のセールに登場してくれることだろう。例えば現在でも、東京ゲームショー2018記念セールとして
33%OFFの4992円で購入可能であり、かつセール対象商品を合計10000円以上買うと2000円ぶんのチケットを全員にプレゼント(どちらも26日まで)という極めて太っ腹なセールが行われている。そう言えば、私が購入をしたのも、1ヶ月ほど前のサマーセールであった。もし、金銭面で迷っている人に関しては、次回以降の更なるセールで手に取っていただけるというのも良いだろう。
 ――というわけで。本作は、PS4であえて発売したノベルゲーとして、そしていま話題のAI&ロボット技術を題材とした物語として、どちらも大きな意義を持つ作品である。少なくとも1周目クリアまでは、緊張感が途切れることは無く、そしてクリア後には、他の人がどのようなルートを辿ったかということが気になって、食い入るようにプレイ動画や感想記事を探してしまうはずだ。本作は、「文字を読むゲーム」というジャンルとしての制約はあるものの、それ以上の広がりを持っており、
限りなく傑作に近い良作であると言えるだろう。機会を見付けて、是非とも手に取っていただきたいタイトルである。

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終盤までは満点に近かったのに、最後がガッカリすぎる出来で、その印象でゲームが終わった…


 PS4の
「アンチャーテッド:海賊王と最後の秘宝」をクリアしたので、その感想を書いてみます。途中までは本当に良かったのに、最終章で地の底に突き落とされたゲームでした。
 …まず。「アンチャーテッド」シリーズは、PS3世代で始まった海外の人気アクションゲームであり、「クラッシュ・バンディクー」シリーズの開発会社が作っていることが知られている。その内容は、主人公が古代の秘宝を求めて世界中を冒険するというものであり、「崖などを登っていくジャンピングアクション」「銃を使った戦闘シーン」が主なゲーム要素となっている。特徴として、グラフィックが非常に美しく、さらに演出も類を見ないほどに優れているため、「映画的ゲーム」とも呼ばれる。日本ではナンバリングが与えられていないものの、今回の「海賊王と最後の秘宝」は、海外では『4』と名付けられており、シリーズ完結作として2016年5月に発売が為された。
 ――さて、私のほうの状況を言ってみると、まず「アンチャーテッド」シリーズは未経験であったが、海外人気の高い作品として、いつかはプレイしたいと思っていた作品であった。そして、2016年と言うと、私にとっては
「時間は無いがお金が有る」という状況で、やりたいゲームをすぐ買いあさっていた状況であった。案の定、私は発売直後に買ったものの、真ん中くらいまで遊んで積みゲーにしてしまっていたのだが、当時とは真逆の状況になった今、そういったゲームを崩してみるべきだろう…と思い、少し前に最初からプレイをやり直して、計15時間程度でエンディングを迎えたのである。

 そんなわけで。今回はPS4の「海賊王と最後の秘宝」をプレイしたのだが、そのクリア後の感想は、
「最後が本当に残念…」というものだった。
 …まず、本作をプレイする前の私の状況を言うと、少し前に「ペルソナ5」を75時間という莫大な手間を掛けてクリアしたが、その評価は何とも言えない感じであり
【2018/7/13】「次は海外ゲームを遊びたい」と思ったものであった。シンプルにクオリティの高いゲームで、スッキリしたかったのだ。
 ――では、その状況に、この「アンチャーテッド:海賊王と最後の秘宝」が答えてくれたかというと、
プレイ当初は完璧であった。まず、よく言われるグラフィックは、日本ゲームが永遠に辿り着けないレベルに達しており、ド派手なカーチェイスや建造物の崩壊シーンなども含めて、ゲームでここまでできるのかと唸らせるものであった。これが、まだPS4が中期だった2016年に出た作品だというのだから驚きだ。また、操作性やシステム面なども優れており、手に馴染むような気持ちの良い操作感と、ロードが一切無いゲーム構成は、プレイヤー目線で作り込まれたからこそである。その他、物語に関しても、最初は海外ゲームということで全く期待をしていなかったのだが、途中からは引き込まれるような展開があり、先が気になる要素となっていた…。

 というわけで。当初の私は、「海外大作は凄まじいレベルに達している。日本ゲームはどうしたんだ」という感じの感想文をしたためる予定であった。ところが、その目論見は、
最後の最後で一気に打ち砕かれたのである。本作は章立ての構成になっており、約20章の壮大な冒険が展開されるのだが、その最終章がとんでもなくダメであったのだ。そして残念ながら、ゲーム全体もその印象で終わってしまった。
 …まず、ストーリー的には、中盤までは王道と言える冒険譚が展開され、主人公がライバルたちと争いながら世界各地を旅していく。ところが、その物語が終盤に差し掛かる頃になって、
ある人物の重大な裏切りが発覚し、物語は急展開を迎える。だが、その裏切りは、最終的には無かったも同然のことにされるのだ。これにより、本作のシナリオは「ある人物が突拍子も無い行動をした結果、関係者の頭が電波になり、その尻拭いを主人公がやらされる」といった奇妙な感じになってしまった。主人公は、その裏切りを行った人物に対して「一発殴らせろ」という趣旨のことを言っているが、殴らない。それどころか、エンディング後も世界のどこかで楽しく冒険をしているそうだ。私には、あの人物は宝の取り分を多くしたかっただけのように見える。終盤で酷い目に合わされるのも、それこそ「自分がやったことの報いを受けている」というだけであって、別に主人公が苦労してまで助ける必要は無かったのではないか?
 ――また。ゲーム面においても、最終章はマップを少し進んでラスボス戦という、まあよくある構成となっているのだが、このラスボス戦が
左からの攻撃を△・右からの攻撃を○で受け止めるだけというものになっており、最後の最後で猛烈につまらなくなってしまっている。やれ、「アンチャーテッド」シリーズは、毎回ラスボス戦が面白くないことが一種の特徴らしいが、それを知ったうえでも苦笑するしかないゲームデザインとなっていた。その他、あるライバルキャラクターは、前述の理由により最後の最後で奇行に走って逃亡するため、男らしく戦って決着を付けることができずじまいとなっている。これなら、最終章より少し前の戦いのほうがよっぽど盛り上がっていたよ…。

 というわけで。PS4「アンチャーテッド:海賊王と最後の秘宝」は、グラフィック・システムともに極めて優れた作品でありながらも、
最後の最後でどん底に落とされるという予想外の結末を迎えてしまった。やれ、作中には「どんな冒険も、終わってしまえば虚しくなる」といった趣旨の発言が存在するが、果たしてこれがその意味するところだったのだろうか…?
 ――まったく。私は、ここしばらく日本のゲームで痛い目を見てきたため、今回はストレートに海外大作を楽しみたいという願いがあった。そして、この「アンチャーテッド:海賊王と最後の秘宝」は、途中までは間違いなくその期待に応えてくれていたようと思う。しかしながら、
最終章がもう本当に看過できない酷さであり、そこだけで評価はかなり落ちてしまったのである。私は、クリア直前までは「やり込み要素に手を出してみようか」「追加パックも続けてプレイしようか」「シリーズ過去作も遊ぼうか」などと思っていたのだが、そういった好意的な感想も、全てまるごと最終章で海に沈められてしまったのだ。どうしてこんなことになったのか? なぜ、気持ち良く終わらせてくれなかったのか…??

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私の好きなあのパッションアイドルもこんな感じになるんですかね


 ”デレステ”こと、iOS/Android
「アイドルマスター・シンデレラガールズ:スターライトステージ」が、「手抜き」ではないかと荒れている。私の意見を言うと、課金ゲーということで事情がやや特殊なものの、間違いなく手抜きであると思っている。
 …まず、「アイドル
(略)スターライトステージ」は、曲と共に落ちてくるノーツに合わせて、5つの判定エァリアを押すというタッチパーノゥ型の音楽ゲームであり、業界では恐らく初めて本格的な3Dライブを取り入れたことで話題となった。サービス開始3年弱が経過した現段階で、収録楽曲は150曲を超えており、アイドル(登場キャラクター)に関しては183人全員が実装されている。これらの楽曲と共通衣装のアイドルは、完全無課金であっても容易にフルコンプすることができる。一方、収益はアイテム課金のスタイルを取っており、そのほぼ100%が、特別な衣装を持つ「SSR」レアリティのアイドルを獲得するために費やされる。狙ったキャラクターを入手するためには、数万円クラスの出費が必要となることもあり(一応、現在では「天井」が用意されており、約9万円で狙ったアイドルが当たらなければ必ずスカウトすることができる)、この辺りは賛否が分かれるところだろう。
 ――というわけで。私に関して言うと、昨年5月からプレイを開始して、それから11月になった時点で感想記事を書いたことがあり
【2017/11/18】、その際には「最も熱中しているゲーム」と記すなど、極めて好意的な意見を寄せていた。だが、そこから状況は大きく変わった。今の本作の状況は、「手抜き」と言われても仕方が無いと思う。それでも、まだまだしっかり遊びたいゲームであるため、あえて批判意見を書いてみるのだ。

 それでは、今の「スターライトステージ」の何が「手抜き」だと感じられるのか。それは、
「@新曲が出ないこと」と、「Aシリーズ化・グループ化と銘打った素材の使い回しが横行していること」である。順に解説していこう。
 …まず、@の「新曲が出ないこと」である。アイドルマスターの中の「シンデレラガールズ」シリーズは、この「スターライトステージ」で新規に始まったゲームではなく、それまでにも作中のアイドルが歌ったという設定の音楽CDや、アニメ版に使われた楽曲などが存在していた。そしてこのゲームでは、そういった既存曲を収録することはもちろんとして、それとは別に、本ゲーム内で初めて発表される「完全新曲」も作られていた。この完全新曲が、
曲・譜面・MVともに桁外れのクオリティであり、本ゲームをプレイする大きな意欲となっていたと私は思う。ところが、この完全新曲が、最近ではまるで追加されなくなったのだ。具体的に、2017年の頭から7月末までに収録された完全新曲は、「命燃やして恋せよ乙女」も含めて10曲である。ところが、今年は同時期の完全新曲が3つしかない。いくらその質が凄まじいところで、最後に追加されたのが数ヶ月前では、それだけで評価し続けるのは難しいのである。
 ――さて。本ゲームでは、「1ヶ月に3曲を追加する」というのが目安として設けられているようであり、そのラインは今も守られている。では、完全新曲以外の何が追加されているかというと、最近では「季節曲」などと呼ばれる、発売済みの全4巻の音楽CDからの楽曲が中心となっている。しかし、それらは既に公開されている楽曲であり、登場時の驚きが無いことはもちろんとして、譜面・MVなども
「まあだいたいこんなもんだよね」という感じの出来に収まっている。やはり、完全新曲と比べて、インパクトが薄いという感は否めないのだ。

 そして、Aの
「シリーズ化・グループ化と銘打った素材の使い回し」である。これは、上の@とも重なる点がある。
 …例えば、いわゆる「季節CD」で表題曲として登場し、去年秋からゲームに収録された「秋風に手を振って」「ツインテールの風」「桜の風」「銀のイルカと熱い風」の4曲は、全て
真ん中が上がっていく舞台を使い回している。一応、これらの曲は、内容の繋がった連作として捉えられるため、その流れで同じステージを使用した…という解釈もできるのであるが、効果的な演出と言うより、シリーズ化にかこつけた手抜きとしか感じなかった。特に、この7月頭に登場した「銀のイルカと熱い風」など、イベント形式も出るタイミングも完璧に予想が付いており、僅かな望みとしてMVが一風変わることを期待したものの、Twitter予告でそれすら裏切られた時には、「またか…」とため息が出てしまった。その他、この春から始まったシンデレラガールズ劇場曲の収録でも、3回連続で緞帳が横に開くステージの使い回しとなっている。こちらは、楽曲や譜面が個性的なだけに、余計にMVの不出来が目に付いてしまうのだ。
 ――また、このような「手抜き」は、楽曲面だけでなく、ついにガチャ
(「ガシャ」とも。ゲーム内での電子くじ引き)で登場するSSRアイドルにも及んだ。SSRアイドルは、個性的な新衣装が魅力であり、本ゲームをプレイする意欲自体にも繋がっている。ところが、先日「恒常2周目」として追加された「[P.C.S]五十嵐響子」は、ほぼ完全に既存SSRと同じ衣装だったのである。一応、ネクタイ・手袋・靴下などに僅かな違いは見られないこともないのだが、間違い探しのレベルであり、コピペと言われても仕方がない。間違いはこの服装を追加したこと自体だよ!! 一応、2人は作中でユニットを組んでいるため、衣装が同じなのは当たり前…という擁護もできなくはないのだが、元となった「[P.C.S]小日向美穂」は2016年9月に登場したSSRであり、その衣装の出来は現段階では高いとは言いがたく、わざわざ掘り出す必要があったとも思えない。しかも、これにより、「恒常1週目すら来ていないアイドルのSSRが更に先送りになった」「『[P.C.S]島村卯月』の同衣装での登場が確定的になった」「人気ユニットのキャラクターが、このような使い回し衣装で消化されることが濃厚になった」などという嫌な予想も大量にできるようになってしまった。私の好きなあるパッションアイドルも、この枠に引っかかる可能性が特大であるため、これからは恒常ガチャ更新の際に追加されないことを祈らなければならない。まさしく、グループ化という名の手抜きである。

 そんなわけで。今の「スターライトステージ」は、
まさしく手抜きとしか言いようの無い状況であると思う。しかしながら、本作は一般的なゲームとは収益スタイルが大きく異なるため、そこまで考えをめぐらせれば、一応は理解できないことも無いとも思えるのだ。
 …例えば、ご存じの通り、本作はキャラクター狙いのガチャ課金が収益の多くを占めている。そのため運営側からしてれみれば、音ゲー要素など
無くても良いのである。また、収益の大半が、重課金ユーザーによるガチャということで、全ユーザーの満足度を上げることも必須ではない。しかも、ゲームの設定上、恐らく月末の期間限定ガチャが利益の大多数を挙げていると思われるため、それ以外の「恒常」の枠は、できる限り手間を掛けずに流してしまいたいものだろう。要は、もうユーザー層を拡大する時期は過ぎて、限られた労力で利益を回収する段階に入ったということである。確かに、去年の力の入れ具合は、現行のパッケージゲーム大作など軽く凌駕するほどであり、「どこからこんなお金が出てるんだ」と危惧させるものであったが、そういったサービス期間はもう終わったのかもしれない。莫大な予算が掛かるであろう完全新曲は、投資と収益の観点から、恐らく作る価値が無くなったのであろう。
 ――やれ。確かに、今の「スターライトステージ」は、以前と比べれば閉塞感が漂っているものの、依然として楽曲・譜面・MVのクオリティはそれなりに高めで推移しており、曲やキャラ追加のペース自体も落ちてはいないため、まだまだ遊びがいのあるゲームと言えるだろう。しかしながら、
昨年の爆発的な進化を知っている身としては、どうしても現行の運営には不満を覚えてしまうのである。もし、これからも予算を制限する方針(推定)が続くのであれば、もう絶大な魅力の新曲が次々と投入されるような状況には二度と戻れないのかもしれない。それは、ちょっと残念というものだな。

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長くて虚無になるストーリーでした。もう日本ゲームの新作はしばらくいいです…


 PS4ソフトの
「ペルソナ5」をクリアしたので、その感想を書いてみようと思います。内容は、「過大評価」「長い」の2つに集約できます。
 …まず、「ペルソナ」シリーズは、アトラス開発のRPGであり、心の力である「ペルソナ」を用いた召喚獣バトルが展開される。特徴として、一般的な日本のファンタジーRPGと異なり、
現実世界を舞台としたうえで人の心の内面に踏み入った物語が展開され、その特異性もさることながら、2Dイラストを効果的に用いたスタイリッシュな演出や洋楽モチーフのBGMなども人気が高い。そして、今回扱う『5』は、ナンバリング5作目として2016年にPS3/PS4で発売された作品であり、日本ではパッケージ50万本以上、世界で200万本以上を売り上げたヒットタイトルだ。そのファンからの評価は凄まじいものであり、「2016年最高のゲーム」「JRPGで一番の出来」などと派手な持ち上げ方をされ、海外評価の参考となる”メタスコア”も93点と極めて高いものになっている。その他、中古価格は今なお5000円程度と高値を保っているほか、テレビアニメ版も現在放送中である。
 ――さて、私のほうの状況を言ってみると、私は数年前にPSvitaで「ペルソナ4:ザ・ゴールデン」をプレイしたことがあり、その当時も過大評価気味と思いながらも、楽しくプレイを終えることができた。そして今作は、『4』以来の正統続編であり、据え置きハードでの作品かつユーザー評価が極めて高いということを踏まえ、
『4 ゴールデン』を大幅に上回る大作RPGとしての出来を期待していた。主要な比較対象は、日本製の大作RPGということで、「ドラゴンクエスト11」「ファイナルファンタジー13」といったところである。

 そんな感じの、派手な期待をいだいてプレイした作品だったのだが、その最終的な評価は、「過大評価」「長い」という微妙なものにならざるを得なかった。まず、避けて通れないのは
物語面の話である。本作は平均的なクリア時間が80時間程度とされており、体感だがその半分程度はシナリオパートである。そのストーリーが、本作最大の問題点と言えるほどに崩壊しているのだ。
 …まず、「ペルソナ5」の導入部分について簡単に述べてみると、ある理由で転校生となった主人公が、体育教師の苛烈な体罰に巻き込まれ、その過程でペルソナ能力に目覚め、人の心に潜入して悪人を”改心”させるようになっていく…というものである。この冒頭に関しては、とりあえず大きな文句は無い。
 ――ところが、その”成功”に味をしめた主人公たちは、「心の怪盗団」を名乗り、世の中の”悪”をペルソナ能力によって一方的に裁いていくようになる。
ここから先の展開はあまりにも酷い。まず、”改心”とは言っているが、やっていることは「暴力による思考の改変」であり、私からしてみれば殺人と同程度の嫌悪感をいだかせるものである。しかも、物語冒頭以外は、「怪盗団」が有名になるための遊びをやっているかのような状況となり、その演出からは「相手の精神を崩壊させて社会的に抹殺することになる」「失敗すれば自分たちも死ぬかもしれない」という緊張感など全く感じさせない。そして、そんな主人公側をそれでも「正義」とするために、敵陣営は「こんな人間いるか?」というレベルの悪として描写されている。これならば、まだ現実世界の日本のほうがマシだ。物語におけるトリックスターとして活躍していた悪役たちも、ある一点を超えた瞬間に急速な小物化が始まり、どこにでも居るやられキャラになってしまう。そして最後は、唐突に「神」を名乗る存在が現れ、これまでの物語展開を全て茶番にしたうえで消滅する。何なんだこの物語は。

 そもそも本作のシナリオは、現実世界の日本を舞台とし、「怪盗」「警察」「探偵」などのキーワードを用いているにも関わらず、
細部が稚拙すぎるのだ。例えば、「主人公たち一行が、屋外でも平気で集合して『怪盗』『改心』と言ったキーワードを大声で喋る」「電話やインターネットなどで、特に伏せずに関連用語を使用する」「周りを警戒せず、人の集まる場所で堂々と異世界に突入する」と言った感じである。これらは全て、物語の進行に重大な影響を与えた要素である。とりわけ、物語の大きな山場となった「脱出トリック」は本当に酷いもので、警察組織を扱っていてあのずさんさは有り得ない。その直前のダンジョンがBGM・グラフィックなども含めて大きく盛り上がる出来だったことも含めて、全てが急転直下で台無しにされたものであった。
 …ちなみに本作では、現実世界の社会問題を扱っている印象も受ける。しかし、
物語全体の作りが粗雑なせいで、深刻な問いかけとしては全く聞こえてこない。例えば、ある事件では、いわゆる「ブラック企業」をテーマとしているが、皆さまご存じの通り、そういった会社が存在する背景には、「慢性的な資金不足・人材不足」「労働を美徳とする日本の価値観」「未だに経済大国の感を捨てられない国民意識」「農耕民族としての国民性」など様々な問題が関わってきており、容易に解決できるものではない。ところが、本作では「過酷な勤労を強いる経営者が悪い!」と決め付け、怪盗団の力によって”改心”をさせる。無理にそんなことをしても、もっと酷い考え方のナンバー2が台頭するかもしれないし、経営が傾けば失業者が出てくることはもちろん、従業員やその家族の人生が狂って自殺者も発生するかもしれない。それを、「怪盗団のせいだ」と言われた時に、果たして本作の主人公たちは胸を張って反論できるだろうか? そういった問題提起は、作中でも一応は為されないことも無いのだが、そのほとんどが投げっぱなしにされる。そもそも、人の心の欲望のみが顕在化した精神世界をわざわざ覗いておいて、それを一方的に断罪することは、果たして本当に「正義」なのだろうか。この問いですら有耶無耶にされて終わった。
 ――というわけで、本作の「現実世界が舞台」という設定は、完全に悪い方向に作用してしまっている。他の作品でも、例えば「魔王軍の司令官」を名乗る人物が全く司令をしていないなどという点が見られることはあるが、あちらはあくまでファンタジー世界であり、多少の現実感の無さは許容できてしまうものだ。逆に例えば、FF13の舞台が架空世界でなく日本で、聖府軍ではなく自衛隊、内閣総理大臣の正体は神の使いであり、その目的は人類を抹殺して神の世界への門を開くこと…というシナリオだったら
キチガイとしか思われないだろうが、だいたい『ペルソナ5』の世界設定がこのレベルである。

まさかこの人の割り込みが癖になってきた辺りがピークだったとは…


 というわけで、『ペルソナ5』のシナリオの「内容」の酷さは既に分かっていただいたと思うが、その虚無感を加速させているのが、
「長さ」である。
 …やれ、本作の標準的なプレイ時間は80時間と、一般的な大作RPGの約2倍と言える数値である。ところが、その時間の半分・
40時間ほどは、上記のようなストーリー語りに費やされる。その演出も、そのへんに居そうな高校生たちがタラタラ喋るというシーンが大半であり、本編の物語と関わらない無意味な場面も多い。この長さは、2分の1でも手ぬるい。4分の1に圧縮しろ。また、サブイベントと言えるコープ(キャラクター固有のミニシナリオ)も、左から入って右に抜けていくような会話が多い。しかも、それを進める中で、話し合いで解決できる問題であってもバトル=”改心”で何とかするような演出が目立つ。まさしく暴力による洗脳であり、ゲームの進行上は仕方がないと分かっていても、決して気持ちの良いものではないのだ。
 ――とはいえ、あえて擁護をするのなら、
現実世界の高校生など、この程度という感じなのかもしれない。確かに、現実の人間が「何の証拠も残さずに他人の思考を改ざんできる能力」を得たとしたら、本作のように身勝手な正義を掲げて、自己実現や承認欲求のために他人を裁いていく者が出てくるかもしれない。また、徹底して「無能と無責任の集合体」として描かれる一般大衆も、このネット世界の現状を俯瞰してみれば、大きく外れてはいないと言えるだろう。しかも、本作の主人公たちは、高校生とまだ幼いうえに、全員が何らかの社会的・精神的問題をかかえている。そういった未熟な者たちが超常の力を手にしたら、このような突拍子も無い行動に出ても、決しておかしくはないのかもしれない。そんな感じで、本作のシナリオには、一周回って奇妙なリアリティが存在するとも評価できるだろう。まあ、それがシナリオライターの狙いだったとは思えないのだが…。

 ちなみに、逆に良い点については、
グラフィックやBGM・戦闘システムなどが挙げられる。グラフィックは、大作クラスには遠く及ばないものの、世代相応に強化されており、3Dムービーやアニメシーンも効果的に使われている。BGMは、前作の『4 ゴールデン』と同じく、洋楽をモチーフとしたものであり、本作独自の雰囲気を作り上げるのに大きく貢献している。戦闘システムも、序盤は弱点属性を突いて転倒させれば勝ちだが、中盤以降は弱体・強化やバトンタッチを上手に組み合わせていく必要があり、いろいろと工夫して楽しむことができた。その他、ダンジョンが前作のようなランダムマップで無くなったのも大きな進化であり、特徴的なギミックとグラフィックを味わえた。ボスも、どれも戦闘面では個性的で、やりがいのある敵となっている。
 ――しかしながら、これらの良い点を全て挙げたとしても、
いいとこ「良作」止まりという印象である。戦闘については、相変わらず特に意味もなく主人公が死ぬとゲームオーバーであり、転倒による連続攻撃は敵も使えるため、全体魔法で弱点を突かれる味方が1人居ると著しく不利になる大縄跳びオフラインとなっている。その他、敵の全体物理攻撃が誰か1人にクリティカルして連続攻撃で終了、主人公に即死魔法がいきなり命中して全滅、などと理不尽な展開からリセットに繋がる状況が散見される。そもそも、シナリオほどではないとはいえダンジョン攻略も冗長ぎみであり、全滅して30分ほど戻されるだけでプレイ意欲に大きな影響を与えていた。また、グラフィックも、確かに前作に比べると強化されているとはいえ、PS4の「大作」として積極的に楽しめるほどではない。音楽に関しては手放しで称賛できるが、その演出が最も効いていたカジノからの大暴落を考えると、全体としてはどうだか…。

 というわけで。私の「ペルソナ5」の感想は、
「長い、シナリオ酷い。疲れた」という感じであり、PS4の大作を求めていた身としては完全に期待外れとなった。世間の熱狂的なまでの持ち上げは異様であり、過大評価と言わざるを得ない。せいぜい「中堅RPGとしては面白い」と言ったところか。
 …やれ、この高評価には、同じく2016年に発売された某つれぇゲームの影響もあるのだろうが、
あれより面白いことなど当たり前である。本作は、良いところだけを最大限に持ち上げてもせいぜい「良作」が限度で、全プレイ時間の半分は「頭の悪い『DEATH NOTE』」といった趣の物語に費やされる。私のプレイ時間は75時間であったが、他の大作を2〜3本はクリアできる時間を消費してこれでは、ちょっと悲しいというものだ。それと同時に、このクラスのゲームすらビッグタイトルとして持ち上げなければならなくなった日本のゲーム業界自体にも、もう諦めに近いものを感じてしまった。何だろう、「ネットが正義!」とか言いそうな10代後半から20代前半くらいまでの層にとっては、こういうシナリオが刺さるのだろうか…?
 ――総合して、この「ペルソナ5」は、私にとって残念な出来であり、プレイ時間と期待に比する満足度は得られなかった。もし、何年後かに続編が出て、それが如何に高評価を得ていたとしても、もはや興味をそそられることは無いだろう。もう、日本のゲームはいいです…。

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